昨年は夜行バスの「尾瀬号」で尾瀬に行きました。今回は夜行電車「尾瀬夜行23:45」に乗って尾瀬に行ってきました。
尾瀬はとても広いので何で行くかによって行き先が変わります。昨年乗った夜行バスの「尾瀬号」だと群馬側から尾瀬に入りますが、夜行電車の「尾瀬夜行」だと福島側から尾瀬に入ります。尾瀬の中でどこに行きたいかによって、アクセスが変わります。
今回は、尾瀬の中でも福島側にある「燧ヶ岳」に登ってきました。
燧ヶ岳登山の記事はこちらから♫
至仏山の記事はこちらから♫
尾瀬のどこに行きたいかによってアクセスが変わる!
尾瀬は大きく分けると2つのエリアに分かれています。
①ひとつ目は、尾瀬の大半を占める尾瀬ヶ原です。尾瀬のメインといえば尾瀬ヶ原です。そして、尾瀬ヶ原方面から登れるのが尾瀬の西側にある「至仏山」です。
②ふたつ目は尾瀬沼です。尾瀬ヶ原と比べると狭いエリアですが、ニッコウキスゲなどで有名な「大江湿原」があります。大江湿原は季節によって咲く花が違うので、どの季節に訪れても楽しめる場所です。
そして、尾瀬沼方面から登れるのが尾瀬の東側にある「燧ヶ岳」と「会津駒ヶ岳」です。
どちらのエリアに行きたいかによって、アクセスが変わります。
①の尾瀬ヶ原・至仏山方面なら高速バスの「尾瀬号」で、②の尾瀬沼・燧ヶ岳・会津駒ヶ岳方面なら夜行電車の「尾瀬夜行」です。
今回は燧ヶ岳に登る予定だったので、②の「尾瀬夜行」を利用しました。
「尾瀬号」の記事はこちらから♫
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「尾瀬夜行23:45」ってどんな電車?プランには尾瀬までのバスも含まれてる?
「尾瀬夜行23:45」(以下、尾瀬夜行)は、23:45に浅草駅を出発する尾瀬行きの夜行電車です。
途中停車駅は「北千住駅」と「春日部駅」で、行き先は「会津高原尾瀬口駅」です。
夜行列車というと寝台列車を思い浮かべますが、尾瀬夜行は寝台列車ではありません。特急電車の「リバティ」の車両を使用しています。リバティって?と思う方もいるかもしれませんが、特別な特徴はない一般的な特急列車です。
そのリバティ車両を深夜に走らせている特別列車というイメージです。なので、寝台列車のように横になって寝たい方には不向きな電車です。とは言っても3時間半弱で到着してしまうので、仮眠程度しかできません。
しかし、ここから続きがあります。
尾瀬夜行のプランは電車で終わりではないんです!「会津高原尾瀬口駅」からの尾瀬までのバスもプランに含まれているんです。なので、実際には電車を降りた後もバスの車内で眠ることができます。
◆夜行電車(東武鉄道)
【乗車駅】23:45 浅草駅/0:00 北千住駅/0:30 春日部駅
【降車駅】会津高原尾瀬口駅
↓ バスに乗り換え
◆会津バス
【乗車駅】4:20 会津高原尾瀬口駅
【途中下車】5:20 駒ヶ岳登山口
【途中下車】5:50 御池
【終点】6:10 沼山峠
◆料金
【往路片道・入浴券お買い物券なし】A期間:5,900円/B期間:6,900円
他、プランによる
プランがいろいろある!
尾瀬夜行にはいくつかのプランがあります。
普通の特急電車と違うところは、旅行会社が出しているプランということです。尾瀬夜行は一般的な特急電車のように、乗車駅の券売機や窓口で切符を買うことができません。(予約方法は次の章で詳しく書きます。)なので、プランもちょっと複雑になっています。
【日帰り入浴券・売店お買い物券付き】A期間:大人6,400円・子供3,300円/B期間:大人7,400円・子供3,800円
【交通費のみ】A期間:大人5,900円・子供3,000円/B期間:大人6,900円・子供3,500円
★尾瀬夜行&東武特急プラン※行きは尾瀬夜行、帰りは東武特急の予約
【日帰り入浴券・売店お買い物券付き】A期間:大人11,700円・子供6,000円/B期間:大人12,700円・子供6,500円
【交通費のみ】A期間:大人11,200円・子供5,700円/B期間:大人12,200円・子供6,200円
★尾瀬夜行&高速バスプラン※行きは尾瀬夜行、帰りは高速バスの予約(ただし、高速バスの出発場所は尾瀬戸倉・大清水のみ)
【日帰り入浴券・売店お買い物券付き】A期間:大人10,400円・子供5,300円/B期間:大人11,400円・子供5,800円
【交通費のみ】A期間:大人9,900円・子供5,000円/B期間:大人10,900円・子供5,500円/
簡単にいうと、尾瀬夜行のみのプラン、尾瀬夜行+帰りの乗り物の予約になります。後は、交通費のみのプランにするのか、入浴券やお買い物券が付いているプランにするのかだけの違いです。
私自身は行きの尾瀬夜行のみ(交通費のみ)予約をしました。
その理由は、帰りの予約をする必要がなかったからです。帰りの東武特急については事前に予約をしなくても、電車に乗る前に予約をすれば乗車が可能です。東武特急は一般的な特急電車になるので、乗る直前でも予約が可能です。
登山のように下山の時間がわからないような状況の場合はわざわざ前もって予約をする必要はありません。駅についてから予約をするのでも十分間に合います。
また、帰りの高速バスプランというのは、福島側から入った尾瀬を群馬側から出るプランでない限り乗車が不可です。高速バスの出発地は、群馬側の「大清水」と「尾瀬戸倉」になるからです。御池や沼山峠から入って、帰りもそのどちらかを利用する場合は不可能なプランなので、選択肢にもはいりませんでした。
日帰り入浴券やお買い物券については、お得なのかわかりませんでした。なので交通費のみのプランにしました。尾瀬で登山をし、日帰りで変える場合、日帰り温泉に立ち寄る時間はないです。よっぽっどスピードが早くない限り、とても厳しいと思います。なので、こちらも選択肢にはありませんでした。
予約方法
予約方法は「東武トップツアーズ」のWEBもしくは東武トップツアーズの各支店です。
尾瀬夜行自体が東武トップツアーズで出しているものなので、予約も東武で行います。
ちょっと面倒に感じるのはWEBでの申し込みは7日前までということです。それ以降は窓口で予約する必要があります。そして申し込み期限にも細かい設定があり、出発週の金曜日17時までと決まっています。また、土日出発の場合は当日予約もできません。
私の場合は天気がはっきりわかってから予約をしたいので、この点がとても不便だと感じます。7日前に天気はわからないですよね。
【発売日】出発日の1ヶ月前から
【WEB申し込み】7日前まで
【東武トップツアーズ窓口】出発週の金曜日17時まで。土日の当日出発の予約は不可。
※駅の窓口での購入不可。
【販売席数】286席
そして、旅行会社を通しての購入になるので、キャンセル料もかかります。登山にはとても不向きな仕組みです。
【11日前まで】無料
【10〜8日前】20%
【7日〜2日前】30%
【前日】40%
【当日】50%
【旅行開始後または無連絡】100%
ギリギリの予約だとほぼ確実にキャンセル料が発生してしまう仕組みです。登山やハイキングは天候に左右されるものなので、残念なプランだと思います。こういうこともあって、悪天候でも参加してしまう登山者がいるんでしょうね。
ハイウェイバスドットコムのようにキャンセル料が100円だと利用しやすいんですけどね。
とは言っても、福島側の尾瀬に夜行で行ける電車は他にはないので、仕方ないことでもあります。
切符は郵送で届く!
実は予約後に分からなかったのが切符の受け取り方法です。
HPや予約後の確認メールを読んでも切符の受け取り方法がイマイチわかりませんでした。
東武の予約システムはちょっと複雑な構造で、予約後に東武のマイページ内にメッセージが届く仕組みでした。そのメッセージを確認しないと手続きがよくわからない仕組みでした。今の時代に適していない昔ながらの旅行街会社の手配という感じでした。その中に発送については郵送のようなことが書かれていましたが、とてもわかりにくい表記でした。
また、予約をしたのが片道の切符だけだとしても、行程をすべて提出しなければならず、それを完了しないと切符は発送されない仕組みでした。登山なので天候によってルートを変えることはあるので、そういうことを伝えてもわかってもらえないようでした。
天気も微妙だったのですが、適当に行程を提出したら切符を発送したと連絡がありました。数日後に宅急便で紙の切符が届きました。
普段、高速バスなどを利用していると、この予約方法はとても面倒に感じました。普通は予約をするとメールが届き、そこにWEBチケットが載っていたり、URLを押すとWEBチケットが表示できたりするというシンプルなのが今の主流ですよね。個人的には今後、頻繁には利用したくはありません。しかし、尾瀬に行くにはとても便利なアクセスなので悩むところです。
いざ出発!途中停車駅は「北千住」と「春日部」!
「尾瀬夜行23:45」の23:45というのは浅草駅の出発の時間です。
今回は浅草駅の次の停車駅の「北千住駅」から乗車しました。
「尾瀬夜行」の乗り場はホームの一番端っこにありました。他の電車は停車しない位置にあるので不安にになりましたが、案内に沿って進んで行くと乗り場がありました。
北千住駅は0:00ちょうどの出発でした。
コロナ禍のせいなのか、いつもそうなのか分かりませんが、ホームはガラガラで他に乗車する人は数える程度しかいませんでした。
尾瀬夜行の途中停車駅は【北千住】と【春日部】だけです。
【23:45 浅草】—【0:00 北千住】—【0:30 春日部】—【3:08 会津高原尾瀬口】
3時間程度で到着してしまいます。尾瀬がそんなに近いイメージはないのですが、特急だととても近く感じます。
車内は貸切状態!2座席利用プランもある!
私が訪れたのは6月下旬でした。水芭蕉の見頃はすでに空いている時期ではありました。
それでも、それなりに人が乗っているだろうと予想していたのですが、同じ車両には数人の人しか乗っていませんでした。ほぼ貸切状態でとてもとても快適でした。
座席は至って普通の特急電車でした。
ガラガラで後ろの席に人が乗っていなかったので、リクライニングを倒すのも気を使わずに済みました。
座席にはコンセントがついていました。後で知ったことですが、車内にはWi-Fiもあったそうです。使用していないのでつながり具合はわかりません。
こんな快適な車内だったのですが、尾瀬夜行には実は「ゆったり2座席利用プラン」というのもあるんです。
これは1人で2座席使用できるプランで、追加料金は1,500円です。
こんなにガラガラで快適だったので、不要なのかも?と思うのですが、ひとりで2座席利用できるのはとても快適ですよね。追加料金もとても安いので、混雑する時期なら利用してみたいプランです。
到着後も40分ぐらいは車内で過ごすことができる!
そして、あっという間に「会津高原尾瀬口駅」に到着しました。
駅に到着するのは3:08なのですが、到着後も3:50ぐらいまで車内で過ごすことができます。時間になるとアナウンスが流れます。私は完全に寝ていたのですが、アナウンスおかげで無事に降りることができました。
車内はとてもガラガラだったのですが、降りた人も数えるほどしかいませんでした。他の車両も空いていた様です。
駅には普通電車も停まっていました。「尾瀬夜行」は写真右側の電車です。
早朝なので空がとてもきれいでした。
尾瀬夜行の利用者限定の尾瀬行きのバスがある!
会津高原尾瀬口駅から尾瀬までは会津バスで行くことができます。
尾瀬行きの会津バスは1日4本あるのですが、その他に「尾瀬夜行」に乗車した人限定の専用バスがあります。
専用バスは4:20に会津高原尾瀬口駅を出発する早朝便です。尾瀬夜行利用者以外の人でも乗れる尾瀬行きのバスの始発は「9:40」です。なので、一番早く尾瀬に着くのは4:20発の専用バスになります。
バス乗り場は駅の外にあります。
この写真は逆向きなので、この写真と反対側(写真手前)の扉の向こうに進んで行き、外に出るとバス乗り場があります。
この写真の位置は駅の外に出ている様に感じる場所なのですが、バス乗り場はここではありません。
建物の中をさらに歩いて外に出た場所がバス乗り場です。
私も間違えそうになりましたが、他の方が進んでいたので間違えずに済みました。
本当にゆるくて、優しかった会津バス!
会津高原尾瀬口駅を出るとバス乗り場があります。
駅前には他に何もないので、迷うようなことはありません。本当にとても田舎です。
尾瀬夜行と会津バスは連携しているので、バス停に着いた時にはすでにバスが2台とバス会社の方々が待機していました。
バスに乗る人は、尾瀬夜行に一緒に乗ってきた人たちなので、そんなに多くはありませんでした。6月の土日にそんなに空いていることある?と思うぐらいガラガラで、おそらく20名程度だったのではないかと思います。感覚なのでもっといたのかもしれませんが、本当にとても少なかったです。
そういう訳なので、どう考えてもバス1台に全員が乗っても席が埋まらない様な状況でした。
しかし、それでもバスを2台出してくれる会津バス!おそらく10名程度ずつ、2台のバスに分かれて乗車しました。
なんというか本当にゆるくて、本当に人に優しい会社でした。
昔からずっと同じ人が働いている雰囲気で、乗務員同士も仲が良く、田舎ならではのゆったりとした流れと、田舎ならではの人に優しい対応でした。こんな映画の中のようなゆるい世界があるんだ!と本当に感じた日でもありました。
停車するのは「駒ヶ岳登山口・御池・沼山峠」!
会津高原尾瀬口駅を出たバスは「駒ヶ岳登山口・御池・沼山峠」に停車します。
バスの運賃は、尾瀬夜行のプランに含まれているので支払う必要はありません。
駒ヶ岳登山口は、会津駒ヶ岳の登山口です。ここで降りる場合は乗車時に運転手さんにお知らせする必要があります。私が乗った日は、こちらで降りる人はいませんでした。
そして、次は御池です。燧ヶ岳に登る人は御池で降りる人が多い様でした。私も御池でおりました。
沼山峠まで乗っていく人は登山ではなく、尾瀬のハイキングや散策に行く人たちのようでした。
【乗車駅】4:20 会津高原尾瀬口駅※4:20のバスは尾瀬夜行を利用した方専用(一般の方の始発は9:40)
【途中下車】5:20 駒ヶ岳登山口
【途中下車】5:50 御池
【終点】6:10 沼山峠
【運賃】尾瀬夜行のプランに含まれている
そんなわけであっという間に「御池」に到着しました。
御池にはトイレと売店がありました。早朝に到着したので売店はまだやっていませんでした。
感想
いろいろ書きましたが、尾瀬夜行は乗る分にはとても楽なアクセスです。
深夜に出発するので仕事の後に出発も可能だし、寝ていれば現地に着く夜行列車というのもとても魅力的です。
また、途中で乗り換えるバスについても、尾瀬夜行に乗った人だけの専用便になるので、並ぶ必要もなくとても快適です。福島側から尾瀬に入りたい人にはとてもおすすめなアクセスです。
ただし、最初にも書いたように、予約が少し面倒です。直前にWEBで申し込むことができず、窓口に行かなくてはならないし、旅行会社を通しての予約になるのでキャンセル料がかかります。
その点を除けば、とてもおすすめなアクセスです。
私自身は次回もまた利用したいと感じたアクセス方法でした。まだ百名山の会津駒ヶ岳には登っていないので、その時はまたこれを利用しようと思っています。
尾瀬夜行の特徴
①夜行列車なので深夜に都内を出発し、早朝に尾瀬に着くことができる!
②会津高原尾瀬口駅から尾瀬に向かうバスは、尾瀬夜行に乗った人のみが乗車できる専用バスなので並ぶ必要もなく、とても快適。
③WEBでの予約が7日前までしかできない。それを過ぎたら窓口での申し込みになる。(駅での切符の購入は不可。)
④WEBで予約をすると、切符はWEBチケットではなく郵送で届く。
⑤全体的にはアクセスが楽で、とても快適!
会津バスで感動した話!余談です。
余談ではありますが…
沼山峠から御池間はシャトルバスが出ています。
ある家族が出発のギリギリに下山してきましたが、「子供が下山するのに時間がかかっていて、下山するのにあと10分弱かかる」と会津バスのスタッフに相談をしていました。そのバスに乗る予定の人は他に数名だけの状況でした。
どうするのかと思い見ていたら、そのバスを待っていた他のお客さんに「10分ぐらい出発を遅らせてもいいですか?」と確認していました。沼山峠から御池行きのバスというのは駐車場行きのバスでなので、みなさん焦っていないいようで承諾していました。
その後、5分程度で家族は無事に下山をし、みなさんバスに乗って帰られました。
今まで生きてきて、お客さんのためにバスを遅らせるという状況を見たことがなかったので、とても感動しました。田舎ならではで、行き先が駐車場だからできたことではありますが、なかなかできることではありません。
東京という人に冷たい世界で生きているせいもあり、本当に心があたたまる出来事でした。また、会津バスに乗りたいです。バス会社ひとつの出来事なのに、きっと会津はいいところなんだろうとさえ感じてしまいました。次は会津に旅に行ってみたいです。
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