至仏山の登山口は鳩待峠にあります。
東京から鳩待峠までのアクセスや至仏山のコースについては前回の記事でご紹介しました。アクセスなどについて知りたい方は下記からご覧ください。
ここから先は鳩待峠から至仏山登山についてご紹介します♫
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尾瀬の玄関口にある”鳩待山荘”!
鳩待峠で乗合バスを降りるとすぐに「鳩待山荘」があります。鳩待山荘は尾瀬の玄関口にあり、宿泊ができる山荘なので前泊する方にはとても人気の山小屋です。また、食堂やお土産屋さんも併設しているので、宿泊しない方でも何かと利用しやすい施設になっています。尾瀬戸倉までのバスのチケットもここで買うことができます。
写真正面が鳩待山荘です。宿泊できる部分は写真の左手の見切れている部分です。写真右側がお土産屋さんで、写真中央の自販機のところが食堂です。写真に向かって自販機より左手に進み、右に曲がるとトイレがあります。他の山同様、こちらのトイレも100円がかかります。
始発で鳩待峠に着いたのですが、バスを降りてみなさんが向かったのは鳩待山荘の食堂でした。食堂自体はまだやっていない時間だったのですが、鍵が空いているため食堂内を利用することができました。夜行バスの尾瀬号で現地入りした方々なので、みなさんこちらでゆっくり朝ごはんを食べてから出発していました。私自身は初めての尾瀬でソロハイクだったので、みなさんと同じ様にここで朝食を取ってからスタートしました。
★鳩待山荘
【営業期間】2021年4月23日〜10月16日
【売店営業時間】8:30-17:00
【食堂営業時間】9:00-16:00
・宿泊
【収容人数】66名
【部屋数】和室7部屋(個室利用可能)
【チェックイン】13:00-16:00
【チェックアウト】8:00
【朝食】6:00-7:00
【夕食】17:30-18:30
【入浴】15:00-19:00 ※日帰り入浴は休止中
平坦で歩きやすい”鳩待峠〜山ノ鼻”!
登山口は鳩待山荘のすぐ目の前にあります。至仏山の登山口は2つあり、ひとつは鳩待峠〜至仏山ピストンコース、もうひとつが鳩待峠〜山ノ鼻〜至仏山の周回コースです。コースの詳細については前回の記事で紹介しました。
出発ギリギリまで悩みましたが、今回は山ノ鼻コースを選択しました。山ノ鼻コースの登山口は鳩待山荘を背にしてすぐ右手にあります。t登山口の入り口には「尾瀬ヶ原入口」という看板があります。山ノ鼻は尾瀬ヶ原も楽しめるコースなので、ハイカーだけではなく、尾瀬ヶ原に行く観光客にも人気が高いです。
鳩待峠の登山口はどちらもとても近いので、間違える方がたくさんいるようでした。この日も何組かのグループが道を間違えたようでした。すぐ気づいた方もいましたが、子至仏山付近まで間違えたことに気づかず登り続けた方もいました。明らかに初心者のグループだったので、ハードな山ノ鼻コースじゃなくてよかったのでは?と思ってしまいました。
尾瀬ヶ原に行きやすい!鳩待峠から一番近い山小屋”至仏山荘”!
鳩待峠から山ノ鼻までは約1時間です。平坦な木道を進んでいくと右手に見えてくるのが、尾瀬山の鼻ビジターセンターです。私が行った時はコロナの影響でなのか営業していませんでした。そして、そのすぐ先にトイレがあります。十分な広さがあるトイレで使いやすく、トイレの入り口にはザック置きと思われる棚がありました。日帰り用のザックなら入る大きさでした。こちらも利用料が100円かかりました。これはどこの山でも同じですね。
さらに少し歩くと素敵な洋館の様な建物が見えました。上高地を思わせるような雰囲気のその建物が「至仏山荘」でした。建物内の照明も洋風でとても素敵で、思わず泊まってみたいと思うほどでした。周囲の雰囲気もとても素敵なので、登山をしない方にもオススメの山小屋です。鳩待峠からここまでは休憩スポットがないので、この周辺で休憩をしている人が多かったです。ご飯を食べている人もたくさんいました。この先、至仏山方面に進むと休憩できるところが当分ないので、先にこちらで休んでいくのがオススメです。
★至仏山荘
【営業期間】2021年4月23日〜10月16日
【売店営業時間】8:00-20:00
【食堂営業時間】9:00-15:00
【カフェ営業時間】10:00-13:00
・宿泊
【収容人数】73名
【部屋数】和室10部屋(個室利用可能)
【チェックイン】13:00-16:00
【チェックアウト】8:00
【朝食】6:00-7:00
【夕食】17:30-18:30
【入浴】15:00-19:00 ※日帰り入浴は休止中
ツキノワグマが出没する”研究見本園”!
至仏山荘のすぐ近くにこの標識があります。ここ山ノ鼻で、至仏山方面か、尾瀬ヶ原方面かに分かれます。尾瀬ヶ原と至仏山を同日に行くのは時間的に厳しいので、尾瀬ヶ原に寄りたい場合には前泊をした方がいいです。特に今回行った山ノ鼻〜至仏山コースはコースタイムが長いので、のんびりしているとあっという間に日没の時間になってしまいます。
そして、先ほどの看板のすぐ脇にあるのが「研究見本園」です。一周すると約40分かかるという研究見本園では尾瀬のさまざまな植物が生えているそうです。しかし、この見本園はツキノワグマが活動する場所として知られていて、”頻繁に出没する”というよりは”ここで生活している”と言った方がニュアンス的には近いと思います。実際に至仏山によく行く方は何度も遭遇しているという方が少なくないです。見本園を一周しないにしても、至仏山に向かう時にここを通るので細心の注意が必要です。実は私自身、昨年も至仏山行きを計画していたのですが、ツキノワグマの出没頻度を知り、ソロで行くのはこわいと断念しました。なので、今回行った時も他にも人がいる時にここを通過しました。そのおかげなのか、運なのか、クマに遭遇はしませんでした。
そして、とうとう至仏山への道のりがスタートです。10月上旬ということもあり、辺り一面が黄金色に染まっていて、とてもとてもきれいでした。これぞ尾瀬!というような風景でした。本当は初夏にも訪れてみたいところですが、残念ながらその時期は至仏山の入山が禁じられています。
そして、後ろを振り返ると燧ヶ岳がありました。至仏山同様、燧ヶ岳も百名山に選出されています。東京からだと至仏山よりもアクセスが悪いので、燧ヶ岳の方がハードルが高いイメージです。というのも燧ヶ岳は福島側にあるので、尾瀬号では行きにくい場所なんですよね。そこがちょっと難点ですが、これについては実際に行った時にご紹介します。
急登の連続!なかなか着かない至仏山山頂!
ここからが至仏山登山の本番です。見本園を出ると、そこからは急登が始まります。道幅は狭く、ゴツゴツした岩もあり、とても歩きにくいです。そんな山道なのですぐに渋滞がおきました。私が訪れた日には中高年の団体がいて、渋滞がとてもおきやすい状況でした。
木に覆われた山道をしばらく登っていくと、視界が開けてきます。そこからは遮られるものが何もないので。どこを見渡しても絶景です。これが至仏山の本当に素晴らしいところだと思います。山にもいろいろなタイプがあり、どの山も眺望がいいというわけではないので、至仏山の景色の良さには本当に感動しました。
そして更にすごいのは、後ろを振り返ったその景色です。尾瀬ヶ原から燧ヶ岳まで一望できます。このルートは頂上までずっと急登が続くので、決して楽には登れないのですが、辛い時に後ろを振り返ると頑張れる気がしました。実際に他のみなさんも後ろ振り向いて休憩していたので、同じことを思っているんだろうと思いました。10月の初めだったので紅葉にはまだ早かったのですが、少しずつ色づいてきている状況でした。
この辺りからは鎖場や岩場が多くなります。落ち着いて登れば問題ないのですが、登りにくいところも多いので注意が必要です。こういう岩場はある程度の登山経験がないと難しいかもしれません。山ノ鼻ルートが初心者向けでないのはこういう部分だと思います。間違っても初めての登山の方にはオススメしないルートです。
この辺りからは階段の連続です。丹沢の塔ノ岳に慣れていれば、これぐらい何とかなりますが、それでも決して楽ではありません。そして、全然山頂に着かないのがこのルートです。登りながら上を見ているとあそこまでいけば頂上だ!と毎回思うのですが、ことごとく裏切られました。こういうタイプの山は久しぶりでした。頂上までの遠さや疲れるレベルは、丹沢の大倉〜三ノ塔〜塔ノ岳ルートに似ていました。それぐらい頂上になかなか着きません!
そして、さらに進んでいくとその先に頂上があります。
360度の眺望!どこを見ても絶景の至仏山山頂!
山頂はとても混んでいました。山頂標識の写真を撮るのは順番待ちでした。ずっと人がいるのでいい写真は撮れませんでした。しかし、ここの山頂標識の良さはは表と裏のどちらにも至仏山と書かれているので、どの方向からも撮影できるところです。こちらは裏側ですが、裏側から取ると燧ヶ岳も写すことができました。
この日は中高年のグループがいくつも登っていたのですが、その中の何名かが疲労で動けない状態になっていました。頂上に着いたのも他のメンバーよりも大分遅れての到着だった様でした。頭痛もひどいと言っていたので高山病気味だったのでしょうか。何人もいるガイドさんがサポートしていましたが、無事に下山できたのか後になっても心配でした。登山は無理は絶対に禁物です。”あと数メートルで頂上だと思っても無理だと思ったら絶対に進んではいけない”と言われていますが、本当にその通りだと思います。登って終わりではなく、下山をしなくてはならないので引き返す勇気を持つことが大切だと思います。私自身は過去に一度だけ踏破を断念したことがあります。それは南アルプスの仙丈ヶ岳です。あと1時間で頂上に着くところまで行きましたが、その時の私にはどうやっても無理だったので断念しました。今考えても断念してよかったと思います。
山頂から小至仏山へ
至仏山の面白いところは、いろいろなタイプの山道があるということです。”山ノ鼻から至仏山の山道”と”至仏山から鳩待峠へ下りる山道”は全くタイプが異なります。予想外の面白さがたくさん待ってる山なんですよね。
わかりにくい写真なのですが、至仏山から小至仏山まではゴロゴロとした岩が多いです。場所によっては岩と岩の間が狭いので、とても歩くにくいです。写真の左手の岩場を通過していく感じです。そして、至仏山で一番注意が必要と言われているのは”蛇紋岩(じゃんもんがん)”です。どんな岩かという写真はないのですが、ツルツルしていてとても滑ります。場所によっては人が通過したことにより、岩に磨きがかかり更に滑りやすくなっているところもありました。晴れている日でも滑るので、雨上がりだと本当に危険だと思います。そういう環境なので、下山時間は余裕を持った方がいいです。岩場を抜けるまでは急ぐことができません!
こちらが子至仏山です。とても人が多かったので、この写真を撮るので精一杯でした。実際にはこちらも展望がよく、360度の絶景でした。この辺りの山に詳しい方なら、とても楽しめる山頂だと思います。
平坦な道が続く”小至仏山から鳩待峠”!
小至仏山山頂あたりからは、歩きやすい道になっていきます。塔ノ岳を思わせるような長い長い階段もあります。特別危ないところもなく、落ち着いて歩けば歩きやすい道が続きます。階段が終わると平坦な山道が続いています。鳩待峠〜山ノ鼻ルートに比べるととても歩きやすい山道なので、初心者には鳩待峠〜至仏山のピストンがおすすめです。歩行時間も短いので気軽に登ることができると思います。
下山途中には色づき始めた木々が見えました。山ノ鼻ルートとはまた違う美しさがありました。至仏山は全体的に眺望がよく、晴れていれば本当に楽しめる山です。私自身はこの時が至仏山初登頂だったのですが、毎年行きたい山だと思いました。百名山でもリピートしたいと思う山とそうでない山がありますが、至仏山は間違いなく前者です。また、人が多い様でそこまで多くない感じがしました。人が多かったのは山頂だけで、下山時にはあまり人に会いませんでした。
至仏山山頂から2時間15分で鳩待峠に到着しました。総合すると歩行時間が7時間を超えてしまったので、標準タイムよりは時間がかかりましたが、満足できる山行でした。
尾瀬戸倉行きのバスは随時運行!
帰りもまた行きと同様で、鳩待峠から尾瀬戸倉までは乗合バスに乗ります。帰りのチケットは写真左側の白い屋根のある小屋で購入できます。その近くにバスの時刻表が貼ってあるのですが、日中は乗合バスが随時運行しているとチケット売り場で案内されました。時刻表通りだと1時間待ちだと思っていましたが、実際にはバス乗り場に行ったらすぐに乗れました。乗合バスなので人数が埋まったら発車する感じでした。バス乗り場は行きと同様で、写真に向かって右手に数分歩くとありました。迷う様な場所ではないので、道なりに進めばあります。
帰りに鳩待山荘のチケット売り場の隣で売っている”花豆ソフトクリーム”を食べました。鳩待峠というとこのソフトのイメージがありましたが、登山後のせいもあったのかとても美味しかったです。
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