東京近郊で最も親しみやすく、ベテランのリピート率が高いのが丹沢です。登山好きな方は誰でもご存知の山域です。みなさんご存知なので、人気の理由は今更説明するまでもありませんが、アクセスの良さと登り甲斐のあるハードなコースが理由だと思います。登山だけではなく、トレランの方にも人気が高く、トレーニングのために通う人も多いです。。私自身もかなり通い詰めているのが丹沢です。
そんな丹沢にある百名山がその名の通り、”丹沢山”です。
みなさんご存知で人気が高く、リピート率が高い丹沢ですが、日帰りで丹沢山に行くのは若干ハードルが高いんです。その理由はコースタイムが10時間を超えるロングコースということが一番の理由です。また、どのコースから登っても決して楽ではなく、ひとつ手前の山”塔ノ岳”で満足してしまい、その先になかなか行こうと思えないのが理由だと思います。人によって理由は異なるかもしれませんが、少なくとも私自身はそうです。
そんな丹沢山に今回初めてチャレンジをしました。
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丹沢山はどこにある?どんな山?
今さら説明するまでもないですが、念のためご紹介します。丹沢山は丹沢の山々の中で唯一の百名山です。場所は丹沢で一番人気が高い塔ノ岳のすぐ奥になります。大倉尾根や塔ノ岳山頂からは丹沢山を見ることができません。その理由はこの後ご紹介しますが、いくつかの小さな山に隠されているからです。
そんな丹沢山はすでに書いた通り、塔ノ岳の奥にある山なので、大倉から登る場合は塔ノ岳やすぐ隣の鍋割山と途中まで同じコースです。そのため、アクセスについてはこちらでは記載しません。それについては別記事をご覧ください。
★丹沢山
【標高】1,673m
【レベル】中級以上
【所要時間】10時間
【標高差】1,756m
【危険箇所】普通に登れば特になし
【ヤマスタ】あり
【今回のコース】大倉〜塔ノ岳〜丹沢山のピストン
ナイトハイクにした理由!
私の場合は始発で行っても最寄駅の渋沢駅に着くのは7時前。そこからバスに乗って大倉に行くと最短でも大倉バス停に着くのは7時半頃になります。そこからご飯を食べたり、準備をしてから登ると、どんなに早くても8時前のスタートになります。私の場合、登山口の大倉から塔ノ岳山頂までは、大体いつも3時間半かかります。そうなると8時からスタートしても塔ノ岳山頂に着くのは11時半。塔ノ岳から丹沢山までは標準タイムで往復3時間かかります。となるとこのペースで順調に進んでも、丹沢山から塔ノ岳に戻ってこれる時間は14時半頃になります。
そこからの下山となると、私の感覚ではかなり遅めの下山だと感じてしまいます。私の場合は、下山時の膝裏痛はひどく、得に膝に負担のかかりやすい大倉尾根の場合は人の何倍も下山に時間がかかります。そう考えると、現地で山小屋などに泊まらずに丹沢山をクリアするためには、早朝に出発するのが一番楽なプランだと思いました。
なぜ山小屋に泊まらずに日帰りでのクリアを目指したのかというと、単純に山に泊まるのが面倒だからです。北アルプスなどのハードな山のように、山小屋宿泊(テン泊)が必須の山であれば仕方ないと思うのですが、いつも行っている丹沢に泊まってまで行きたいとは正直あまり思いません。また、私自身は旅も好きなのですが、国内旅行では基本的に日帰りをしたい派です。その理由は、泊まってまでやることのない観光地がとても多いからです。さらに、夜行バスを利用して行く場合は早朝から観光ができるので、その地域だけに行くなら日帰りで十分楽しめてしまうんです。
そんな理由もあり、国内ではできるだけ泊まらない方法を選択したいと常日頃に思っています。そういうこともあって、今回丹沢山をクリアするために選んだのが早朝出発というプランでした。しかし、すでに書いた様に、私の場合は始発で出発すると大倉に着くのが7時半頃になってしまうので、早朝から登るのは不可となってしまします。また、私自身はペーパーのため車で行くことができません。なのであくまでも、電車で行って早朝から登るというのが今回の条件でした。
そこで考えたのが、渋沢駅周辺に前乗りをして、早朝から登るというプランです!これなら何とか行けるのでは?と思いました。しかし!これについては何年も前から調べていましたが、朝まで過ごせるこれだ!と思える場所を探せずにいました。それもそのはずで渋沢駅周辺って何もないので、なかなかそういうところはないんですよね。全くないわけではないのですが、泊まるにはちょっと..と思う様なところが多かったんです。
そんなある日、Googleマップで見つけたのが秦野にあるスーパー銭湯の”万葉の湯”でした。万葉の湯は東京近郊にいくつかあり、利用したことのあるスーパー銭湯だったので馴染みもありました。
24時間営業をしている秦野の”万葉の湯”!
万葉の湯は東京近郊に何店舗かあるスーパー銭湯です。手軽に温浴施設を楽しめる場所として知られています。秦野店は秦野駅から徒歩10分程度で、日中なら施設の無料シャトルバスが出ています。私自身は夜に徒歩で行きましたが、迷わずたどり着けました。初めての場所で少し不安だったのですが、遠くからでも万葉の湯の照明が少し見えるので、そこだろうと思って目指しました。
【住所】神川県秦野市河原町2-54
【電話番号】0463-85-4126
【営業時間】24時間
【定休日】年中無休
【入館料】
《マル特セット》大人1,980円(バスタオル、タオル、館内着)
10:00-翌3:00の滞在が可能。
《深夜料金》大人1,760円
深夜3:00以降は追加料金。
前売り券がお得!
そして、何より素晴らしいのは24時間営業していることです。入館料は朝10時から翌3時までは一律料金で、一度入館してしまえば長時間滞在することが可能です。早朝3時以降も滞在が可能ですが、こちらは深夜料金が追加でかかります。24時間営業しているスーパー銭湯はなかなかないので、それだけでも行く価値のある施設だと思います。これだけ聞くと料金が高いんじゃないの?と感じてしまいますが、10:00-翌3:00の滞在で大人1,980円です。1日滞在してこの値段はとてもお得だと思います。
そして、アソビューのHPから前売りチケットを購入すると料金が安くなるんです。これついては万葉の湯のHPに案内があります。平日と土日で割引率は異なりますが、平日だと大人1,650円、土日だと大人1,760円になります。24時間滞在できて、この値段はとても安いですよね。
前売りチケットは日にちを指定して購入するものではないので、事前に購入しておいて、使いたい時に使うという仕組みです。使用期限は購入してから3ヶ月なので、時間に余裕があってとても使いやすいチケットだと思いました。入館料は前払いなので、到着したら受付で購入済みのチケットを見せるだけで入館することができました。特別むずかしいことは何もないので、あらかじめチケットを購入することをおすすめします!
【平日】大人1,650円(17%OFF)/小学生770円(25%OFF)/未就学児550円(33%OFF)
【土日祝】大人1,760円(11%OFF)/小学生770円(25%OFF)/未就学児550円(33%OFF)
リラックスルームで仮眠ができる!
また、秦野店は宿泊施設もあるので泊まることもできます。深夜にお風呂に入っている人のほとんどが宿泊している方のようでした。宿泊施設の他には無料で利用できるリラックスルームがあります。リラックスルームにはリクライニングが可能なイスがあり、そのそれぞれに画面がついていました。使用しなかったのでその機能についてはわかりませんが、おそらくテレビなどが見れるものだったと思います。また、入り口にはブラケットの貸し出しがあったので、自由に使うことができました。
リラックスルームは無料の割にはとても快適で、椅子の使用感もとても快適でした。飛行機や新幹線などと比べたらとても快適です。寝返りを打つ余裕もありましたし、他の席との間隔が空いていたのでゆっくり寛ぐことができました。無料で眠れるスペースがあるのはとても便利です。こういうスーパー銭湯によくあるのは畳の休憩室ですが、こちらには畳のスペースとイスの両方がありました。座席数がとても多かったので余程のことがなければ満席にはならないと思います。
ただし、ここは仕切りのない仮眠室なので、神経質な人や眠りの浅い人にはおすすめできません!実際に私が滞在した時にはいびきのうるさい方が何名かいたので、眠れない人は眠れないかもしれません。私自身はそんなに気にならなかったので数時間は仮眠することができました。リラックスルームはあくまでも無料のお部屋なので、こういう点においては仕方のないことだと思います。それ以外は文句なしの環境でした。
タクシーで秦野から大倉へ
マル特セットは早朝3時までの滞在なので、そのタイミングでチェックアウトをしました。そんな時間には電車もバスももちろんないので、大倉まではタクシーで行くことにしました。
フロントにはタクシー専用の電話があり、そこからタクシーの手配をすることができました。スタッフによるタクシー手配はないので、自身で手配をするような仕組みです。私が滞在したのは三が日だったので、タクシーの稼働数が少なく、1時間以上待つ羽目になりました。秦野は田舎なのでタクシーを利用する場合は予め予約をしておいた方がいいと思います。タクシーの待ち時間が1時間あったので、待機場所は秦野駅にしました。秦野駅は早朝に待機できる場所がないので、外をウロウロして時間をつぶしました。お正月の三が日だったのでとても寒かったです。事前に予約しておけばよかったと思いました。
秦野駅から大倉バス停まではタクシーで約20分でした。近くも遠くも感じませんでした。
そしてナイトハイクへ
大倉バス停でタクシーを降りると外はまだ真っ暗でした。1月初旬のこの時期は4時過ぎでも外はまだ暗いです。バス停の横にあるトイレは早朝でも電気が点いていたので普通に使うことができました。人気がなくとても怖いので、トイレに灯りが点いていなかったらどうしようと思いましたが、そんな心配は必要なかったです。
そして、4時半頃にナイトハイクをスタートしました。
もう何度も行っている大倉尾根ですが、真っ暗なのはこの時が初めてでした。早朝で真っ暗、人気がなくとてもとても怖いです。その中でも一番怖く感じたのは登山口から山に入って行く辺りです。特に何かがあったわけではないのですが、ここから深夜の山に入って行くと思うと怖さを感じました。ナイトハイクはもちろんソロではできないので、同行者にくっついて進みました。変にキョロキョロするととても怖いので、ヘッドライトがあたる足元だけを見て進みました。真冬でしたが、風もあまりなく天候に恵まれた日でした。
歩き始めて30分ぐらい経った頃、後ろからヘッドライトが見えてきて、ソロの登山者が追い越していきました。人がいる!と思ったら怖さがなくなり、そこからは普通に登りました。その後も数名の登山者に追い越されましたが、みなさんソロの方でした。こんな時間でも登る人がいるんだなという勉強にもなった日でした。
1月は5時50分頃から明るくなり始める!
そして、5時50分頃から少しずつ辺りが明るくなってきました。(写真は5時52分)
徐々に明るくなっていきます。(写真は6時6分)
少しずつ空の色が変わっています。(写真は6時14分)
6時半頃になると日が昇ったと感じる明るさになりました。朝と夜の間の空の色は数秒ごとに変化をするので、見ていて本当に楽しかったです。日常でこんな風に朝日を見ることなんてあまりないので、その瞬間瞬間がとても貴重でした。
7時を過ぎるとお日様は完全に昇りました。これは堀山の家のところから撮影しましたが、この時間は富士山がはっきりと見えて、とてもきれいでした。丹沢は季節を問わず、昼近くになるとガス流ことが多いので、やはり早朝はきれいなんだなあと感じた日でもありました。
この後、塔ノ岳を経て丹沢山に向かうのですが、長くなったので別記事にします。
後編はこちらから↓↓
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