鹿児島遠征初日は「韓国岳」に登りましたが、2日目は本州最南端にある百名山の「開聞岳」に登りました。
開聞岳は薩摩半島の南端にあり、きれいな円錐の形から「薩摩富士」と呼ばれています。
鹿児島の温暖な気候や標高が924mと低いことから、一年中登れる山として知られています。中でも菜の花が満開になる12月下旬から2月上旬頃が人気が高く、開聞岳の麓に咲く菜の花の景色はとても有名です。
しかし、その反面、ダラダラと地味に続く登りが非常にきつく、前日に登った韓国岳とは打って変わって「頂上付近までは景色が一切見えない山道」はとても過酷です。標高が低いからといって決して楽な山ではないんです。
そんな開聞岳についてご紹介します。
鹿児島遠征1日目についてはこちらから♫
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鹿児島遠征2日目のスケジュール
◆鹿児島遠征2日目 鹿児島中央駅⇨開聞岳⇨鹿児島空港⇨羽田空港
【ホテル】鹿児島中央駅近く
【電車:行き】6:20 鹿児島中央駅〜7:57 開聞駅
【電車:帰り】
①14:15 開門駅〜14:44 指宿駅
②15:53 指宿駅〜17:10 鹿児島中央駅
※15:05 指宿駅発の「特急指宿のたまて箱6号」もあるが、この日は満席で断念。
【バス】鹿児島中央駅〜鹿児島空港
【飛行機】鹿児島空港〜羽田空港
開聞岳(かいもんだけ)
開聞岳は薩摩半島の南端にある山です。
どこからどう見渡しても美しい円錐の形をしています。
とても変わっているのが円錐の形の山を螺旋状にぐるぐると登っていく山ということです。登っていると螺旋状になっていることが全くわからないのですが、ぐるぐると登っていく山道になっています。9合目付近まで景色がほぼ見えないので、実感が全く湧きませんでした。
★開聞岳(かいもんだけ)
【標高】924m
【レベル】初心者向け
【所要時間】5時間20分
【標高差】917m(登り)/917m(下り)
【危険箇所】特になし
【ヤマスタ】あり
【今回のコース】開聞駅〜開聞岳〜開聞駅のピストンコース
開聞岳へのアクセス
前日に登ってた韓国岳と比べるとアクセスはとても簡単です。
私の場合は鹿児島中央駅付近のホテルに泊まったので、鹿児島中央駅が出発駅でした。鹿児島中央駅から開聞駅まで電車で行き、開聞岳から歩くだけです。駅からのバスなどもないのでとても簡単です。
ただし、電車のタイミングによって途中駅で乗り換えがあるので、きちんと調べておくことが必要です、タイミングにより、乗り換えをする駅も違います。とは言え、上り方面か下り方面かという乗り換えしかないので、とてもシンプルです。
そして、電車の本数がとても少ないです。鹿児島遠征は乗り物の待ち時間がとても長いので、予め調べておいた方がいいです。タイミングを間違えると数時間待ちになってしまいます。
★開聞駅へのアクセス
【路線】JR指宿枕崎線
【乗車駅】鹿児島中央駅
《乗り換え》山川駅 もしくは 指宿駅
【降車駅】開聞駅
【所要時間】1時間38分〜1時間55分ぐらい(乗り換えによって異なる)
【運賃】1,310円
行きは鹿児島中央駅で切符を買えたのですが、開聞駅は無人駅だったため帰りは乗車前に切符を買えませんでした。
電車が出発すると車掌さんが車内を回ってきて、切符を持っていない場合は車掌さんから直接購入できました。
帰りは鹿児島中央駅まで行く予定だったので、鹿児島中央駅までの分の切符を購入しましたが、帰りは乗り換えのタイミングが悪く途中の指宿駅で1時間の待ち時間がありました。鹿児島中央駅まで切符を買ってしまったのですが、待ち時間の間に改札の外に出ることが可能で、ホームに戻るのも自由でした。地方ならではの対応の良さでした。
開聞駅から登山口までは約40分
鹿児島中央駅から約1時間半で開聞駅です。
開聞駅には何もありません。地方ならではの無人駅で、駅前にも何もありません。
電車を降りると芝生で、どこまでがホームなのかさえ分かりません。
いつか行った山口県の駅を思い出しました。本当にとても田舎です。
それでも降りる人はいるんです。もちろん全員が登山者です。そのほとんどの人は前日にも会った人たちです。鹿児島空港から韓国岳に向かい、帰りのバスも同じだった人たちです。地方で公共交通機関を使う人は限られているので、九州遠征をする場合は毎日同じ人たちと行動を共にすることになります。バスや電車の本数が少ないので、必然的に同じになります。
開聞駅を出て少し歩くと「指宿市役所」があります。
そして、その後ろには「開聞岳」が見えます。
指宿という地名は昔から知っていたけれど、こんなところにあるとは知りませんでした。そして、随分遠いところまで来たなと感じました。鹿児島遠征はソロだったので、そういうことをしみじみと感じながら前に進みました。
市役所のすぐ脇にはこんな看板がありました。登山口が近づいてきた感じがしました。
もう少し歩くと民宿がありました。前泊する場所を調べた時に知った民宿です。
とても評判が良く、泊まってみたいと思った場所でした。開聞岳の前泊で利用する人が多いようでした。
ただ、今回の鹿児島遠征はGWの最中でありながら、前日に鹿児島行きを決めたので、民宿に泊まるのは断念しました。ソロの場合は天気が確実になってから予約をするので、いつもギリギリに決断をします。せっかくなら晴れた日に行きたいのでそうなってしまいます。
★民宿かいもん
【住所】鹿児島県指宿市開聞十町1201
【電話番号】0993-32-4173
少しずつ開聞岳が近づいてきます。
GW真っ只中でも車が通る訳でもなく。とてもひっそりしていました。
ここまで来ると登山口はもうすぐです。
本当にこの山に登る人がいるのかな?と不安になりますが、先に進みます。
登山バッジは「かいもん山麓ふれあい公園」の管理棟で購入できる!
登山口の近くに行くと右手に曲がるところがあり、そこを曲がると公園や駐車場があります。
少し進んで行くと右手に「かいもん山麓ふれあい公園駐車場」があります。
その駐車場の隣に「管理棟」という建物があり、トイレやとても小さな売店があります。
私は登山口のトイレについてきちんと把握していなかったので、てっきりここにしかトイレがないと思い、管理棟に立ち寄りました。ただ単にトイレに寄りたかっただけです。しかし、偶然にもここの管理棟に登山バッジが売っていて、山に登る前にここでバッジを購入することができました。
後になって考えると他に売っている場所はどこにもなく、帰りに時間もなかったので先に買って良かったと思います。とてもわかりにくい場所にある上に、管理棟まで行くと意外と時間を取られるので帰りに寄るよりも、先に購入した方がいいと思います。
登山口の近くにもトイレがある!管理棟に寄らなくても大丈夫!
管理棟を出たら、さっきの道まで戻り登山道へと向かいました。
開聞駅で降りた他の登山者で管理棟に寄った人はいなかったので、みなさん先に進んでしまったようでした。私だけが1人で寄り道をしてしまったという訳です。
ちなみですが、登山口の近くにトイレはあります。管理棟に寄らなくてもトイレの心配はありません。
とうとう登山口に到着です。山口の近辺には案内図がありました。
開聞岳には登山口やルートがひとつしかないので、迷うことはありませんが念のため確認しました。
特徴のない山道を延々と登る山!
そして、ここから登っていくのですが、ここから先はほとんど写真がありません。
その理由は、登ったことのある方には分かると思いますが、写真を撮るような場所がない山だからです。
どういう意味かというと、頂上付近までは木々に覆われていて景色が全く見えません。
そして、全くもって特徴のない山道なんです。
木々に覆われた普通の山道で、写真のような道を延々と登っていくだけなんです。
山道が広いわけでもないので、ゆっくり立ち止まって写真を撮れないんです。まあ、撮るような景色でもないのですが。
ぞういうわけで写真は少ないんです。
ところどころに「◯合目」という標識はあるのですが、それだけです。
そして、その標識がとにかく辛い!
何が辛いって、この山はずっとずっと同じような道を延々と登るだけな上に、地味な登りがずっと続くんです。途中に景色や何か楽しみがあればいいのですが、頂上付近までは何ひとつ楽しみはありません!
標高が900m代であるにも関わらず、想像以上にきつい山です。
私の運動不足かなと思ったのですが、他の登山者もみなさんきついと言っていたので楽な山ではない様でした。
事前に調べた時に他の方も書いていましたが。低山ですがストックは絶対に持って行った方がいいです。いつも登山の時は途中からしかストックは使いませんが、この日は最初から使用しました。最初から使用しても邪魔にはならなかったです。
やっと景色が見えた!でもそれは一瞬だけ!
ある程度、登ったところにやっと景色が見える場所がありました。
登ってきた感じがしましたが、ここから先がずっと景色が見えるという訳ではなく、また木々に覆われてしまいました。幸せな瞬間は一瞬でした。
ここからさらに登っていきます。
最初にも書きましたが、開聞岳は螺旋状に登っていく山なのですが、景色が見えないので登っていても全くそういう感じはしませんでした。ただ真っ直ぐの山道を登っているような感覚でした。とても不思議な山だなと思いました。少なくとも私が今まで登った山で螺旋状に登る山はありませんでした。
九州の形がはっきりとわかる景色が見える!
9合目付近まで来ると景色が見えてきます。
この日は天気は良かったのですが、霞んでいてはっきりとした景色は見えませんでした。
海が見える山を登ったことがあまりないので、こういう景色はとても新鮮でした。
そして、上から見た時に九州の形が見えたのには少し感動しました。「九州って本当にこういう景色なんだ!」と思いました。九州に土地勘のない私でもそう感じるので、土地勘があればとても楽しめる景色なんだろうと思います。
ゴツゴツした岩だらけの山頂!
そして、とうとう頂上です。
5月だというのにとにかく暑くて、地味な登りが延々と続いた山道。この日はあまりにもしんどくて、今日は登頂は無理かも…と正直思いました。前に進むのも本当にしんどかったので、ペースを下げて”無”になり、とにかくゆっくりゆっくり登りました。
そうしてたどり着いたのがこの頂上です。
この写真で何が物語っているかというと、疲れすぎていて人が写っている写真しか撮る余裕がなかったということです。いつもの私なら人が居なくなってから写真を撮り直すのですが、そんな余裕はありませんでした。せっかく鹿児島まで行ったのに残念です。
ここまで書いて思い出したのですが、実はこの日は寝坊したんです。前日に疲れのあまりアラームをかけずに寝てしまい、始発に乗る予定が乗れなくなってしまい、次の電車に乗りました。実に約1時間半のタイムロスです。
そういう理由もあり、時間には全く余裕のない山行でした。なので写真をゆっくり撮る時間も実はありませんでした。
山頂は見てのとおり、岩でゴツゴツしていて広くありませんでした。休憩しにくい形状だったのと時間がなかったので10分ぐらい休憩をして、すぐに下山しました。ソロの時は大体いつもこんなもんです。山頂では10分程度しか休憩はしません。「登ったらさっさと下る!」が私のモットーです。
下山は約2時間!
頂上付近は岩が多いので下山がしにくいです。
ストックは邪魔になるので、岩がなくなるまではしまっておいた方がいいです。
登りの時はスルーしましたが、こちらは「仙人洞(せんにんどう)」という大きな穴です。
開聞岳が噴火した時に溶岩でできたものだそうです。その昔、修行の場としても使用されていたそうです。
穴がとても大きいので、通る時に少し怖かったです。天気が悪い日なら不気味かもしれません。
開聞岳は植物がきれいだと感じる山ではないですが、途中に「コガクアジサイ」が咲いていました。
ずっと同じような山道を歩くだけの山なので、植物が咲いていると心が和みました。
帰りの電車の時間などが不安だったので、急いで下山したら2時間で開聞駅に到着しました。
GWとは言え、ガラガラの開聞岳でしたが、それでも登ってくる登山者はいるので下山の時にはすれ違いの待ち時間が多かったです。山道が狭いのですれ違うことができずに、どちらかが通るのを待っていなければいけないので、状況によっては想像以上に時間がかかる場合があります。
また、連休だからだったのかは分かりませんが、遅い時間から登ってくる方が多かったです。私の中では標準タイムが5時間を超える山に昼過ぎから登るのは考えられないのですが、そういう方がたくさんいました。みなさん遠征だったんでしょうか。
日の長い時期とは言え、日当たりが悪い山なので遅い時間から登るのはおすすめしません。
帰りの上り電車は「14:15発」の次は「16:45発」!
開聞駅に着くと、朝に同じ電車で来た人たちが電車を待っていました。私よりも大分早く下山した様でした。
電車の本数が少ないので、必然的に行きも帰りも同じ便を使用することになります。このメンバーの中には、前日に空港から韓国岳に同じ便で一緒に行った人たちもいました。九州遠征をする人たちは大体同じ様なプランを組む様です。
開聞駅の上り電車(鹿児島中央駅方面)は「14:15発」の次が「16:45発」でした。
私のペースでは「14:15」の電車に間に合わない可能性が高かったのですが、10分前に駅に到着しました。本当にギリギリでした。
地方遠征では公共交通機関の本数が極端に少ないので、常に時間に追われます。山に登るよりも、時間に追われていることが疲れる様な気がします。
帰りは指宿駅で乗り換え!特急に乗るなら事前予約がおすすめ!
帰りは指宿駅で乗り換えでした。指宿駅に到着したのは14:44でした。
そのすぐ後に、15:05 指宿駅発の「特急指宿のたまて箱6号」がありましたが、すでに満席でした。
特急なので人気が高い様で、指宿から乗る人がとても多かったです。
仕方がないので普通電車で鹿児島中央駅に向かうことにしましたが、次の電車は15:53発でした。
1時間以上、待ち時間ができてしまったので改札を出て、駅構内で待ちました。
指宿駅周辺を歩くこともできたのですが、暑さと連日の登山疲れで気力がなかったので駅で待ちました。
そして、15:53発の電車で鹿児島中央駅まで向かいました。
下山したのは14時過ぎでしたが、鹿児島中央駅に着いたのは17:10でした。
地方での移動は本当に時間がかかります。決してハードすぎるスケジュールではないはずですが、移動が多く、待ち時間も多いので、ハードすぎるのが苦手な方はもう少しゆっくりできるプランがいいかもしれません。どこかでもう1泊するなり、1日目は登らずに観光にするなり、いろいろと方法はあると思います。
鹿児島中央駅から空港連絡バスで鹿児島空港へ
空港までのアクセスは別記事にします。
感想
本当はこの翌日に「阿蘇山」に登りたかったのですが、火山活動中のため断念しました。他の記事にも書きましたが、鹿児島中央駅から熊本駅まではアクセスがとてもよく、とても行きやすい場所にあります。そして、熊本駅から阿蘇山までもとてもアクセスがいいんです。なので、火山の問題がない時期なら、翌日は阿蘇山に登ることをおすすめします。
とは言え、2日間で百名山を2座踏破できたので、それだけでもとても満足でした。
飛行機で登山遠征をしたのは初めてでしたが、東京近郊の百名山に登山に行く時とアクセスにかかる時間はあまり変わりませんでした。そして、今回はJALのマイルを使用して行ったので航空券代もタダでした。なので、東京近郊の百名山に行くのと金額自体もあまり変わりませんでした。
飛行機での地方遠征は面倒でお金がかかると思いがちですが、実際にはそうとも限りません。ジェットスターやピーチはセールが多いので、マイルを使用しなくてもそんなに費用はかからないと思います。
ただ、やっぱり、登山のためだけに行くと疲労で登山以外のことはほぼできません。鹿児島では美味しいご飯も食べられず、夜はコンビニ飯でした。もちろん観光なんてする余裕はありませんでした。山のために行くので仕方ないことではありますが、観光もしたい方はもっとゆるめのプランをおすすめします。
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