イタリアにオルヴィエート(Orvieto)という町があります。
「死にゆく町」として有名なチヴィタ・ディ・バーニョレージョに行く途中にある町です。(以下チヴィタ)
オルヴィエートからチヴィタ行きのバスが出ています。
オルヴィエートやチヴィタの詳細はこちらから♫
そんなオルヴィエート最大の観光名所が「オルヴィエート大聖堂」です。
オルヴィエート大聖堂ってどこにある?
オルヴィエート大聖堂(Duomo di Orvieto)は、ケーブルカー駅から徒歩15分のところにあります。
駅から道なりに歩いて行くと、ドゥオーモ広場にたどり着きます。
ケーブルカー駅から大聖堂までは、市内を走るミニバスでも行くことができます。
ミニバスのバス停はケーブルカー駅の前にあります。
チケットはケーブルカーと共通で時間制です。
有効期限は90分で€1.3です。その間はケーブルカーもバスも乗り降りが自由です。
★オルヴィエート大聖堂(Duomo di Orvieto)
【住所】Piazza del Duomo 26, 05018 Orvieto
【電話番号】0763 342477
【営業時間】
・9:30-13:00/14:30-17:00(11~2月)
・9:30-18:00(3,10月)
・9:30-19:00(4~9月)
《日曜・祝日》
・14:30-16:30(11~2月)
・13:00-17:30(3~10月)
チケットは隣にある美術館で購入できる!
大聖堂の隣にあるのは”美術館(Museo Emilio Greco)”です。
大聖堂のチケットは美術館で販売しています。
チケットは美術館などとの共通になっているものもあります。
どこもそんなに鑑賞するのに時間がかからないので、セットで見るのがおすすめです。
★チケット
【大聖堂/サン・ブリツィオ礼拝堂】€4
【大聖堂/サン・ブリツィオ礼拝堂/Tesoro della Cattedrale/Palazzi Papali/Chiesa S. Agostino】€5
【Palazzi Papali/Chiesa S. Agostino】€4
私はチヴィタに行く途中に立ち寄ったので、あまり時間がなく、大聖堂と礼拝堂だけのチケットを購入しました。チヴィタ行きのバスの本数が少ないので、チヴィタにも行く場合は欲張らない方がいいと思います。オルヴィエートは鉄道駅からケーブルカーに乗り、そこから観光名所へと行く必要があります。小さい町ですが、鉄道駅まで戻るのは意外と時間がかかります。
壮大であまりに美しすぎる教会!
オルヴィエート大聖堂は、とてもとても壮大です。
あまりにも大きすぎるのでカメラに入りきりません。
すぐ正面には建物があるのですが、そこのギリギリから撮っても全てを収めるのはとても難しいです。
この写真はしゃがんで撮ったのですが、すべてが入り切っていません。
それぐらいとても大きいんです。
今までたくさんの教会に足を運びましたが、ここまで大きい教会に出会ったことはあまりありません。
この壮大な大聖堂は、建築家、彫刻家、画家、モザイク師などのたくさんの人の手により造られました。
その数はなんと300人以上!
その中でも多いのが彫刻家で総勢152人なんだそうです。
大聖堂の着工は1290年なのですが、建築に時間がかかり、完成したのは1591年です。
300年もの年月をかけて造られた教会です。
手掛けた人の数も多いですが、年月もとてもかかっているんですよね。
ひとつひとつが細かく、とても美しいです。どこを見ても芸術です。
正面から見ているだけで時間が経過してしまいます。
とても色鮮やかで、これが教会の壁の一部だとは思えません。
本当にとてもとても美しい教会です。
言葉が出ない細かさでした。どうやってこれを作ったのだろうと不思議に思います。
外壁があまりにも壮大で美しいので、中に入るまでに時間がかかります。
ロマネスク様式ってどんなもの?
着工当時はロマネスク様式だったのですが、完成時にはゴシック様式になりました。
ロマネスク様式は11世紀から12世紀ごろに、フランスなどの西ヨーロッパで広まった建築様式です。
壁が厚く重厚感があり、半円型のアーチが使われているのが特徴です。
ロマネスクという言葉には「ローマ風」という意味があり、ローマの影響を強く受けた建築なんだそうです。
★ロマネスク様式
・壁が厚く重厚感がある
・半円型のアーチが多く使われている
・窓が小さい
・初期のロマネスクは壁が石で、天井が木で造られているバシリカ様式だった。
ロマネスクの代表的な教会に「ピサ大聖堂」があります。
ピサの斜塔の敷地内にある教会です。
こちらが”ピサ大聖堂”です。
たしかに壁が厚く重厚感があり、窓が小さいですよね。
オルヴィエート大聖堂とは雰囲気が全く違います。
ゴシック様式はどんなもの?
ゴシック様式は12世紀から15世紀ごろにフランスから広まりました。
全体的に高さがあり、アーチの先がとがっている尖頭アーチが使われています。
そして、ロマネスクとちがうのは、ステンドグラスがあることです。
★ゴシック様式
・高さがある
・アーチが尖っている尖頭アーチ
・ステンドグラス
・柱が細い
・天井が石できている
世界を代表する教会の多くはゴシック様式です。
フランスのノートルダム大聖堂、ドイツのケルン大聖堂、イギリスのカンタベリー大聖堂などが有名です。
そんなゴシック様式で、オルヴィエート大聖堂は造られています。
天井が高く、迫力がある!
大聖堂の中はとても迫力があります。
重厚感があり、存在感が強く、そして壮大です。
ガッチリとした柱と天井の高さが特徴的です。
他の教会に比べて、イスの数が少なく、がらんとした印象がありました。
それぐらい広い教会です。
壁面にはたくさんのステンドグラスがありました。
日中の日が当たる時間に行ったので、日の光がとてもきれいでした。
イスの数が少ないと書きましたが、実際にはけっこうあります。
ふつうの教会だと静寂さや、独特の不思議な雰囲気があるものですが、
この大聖堂ではそれをあまり感じませんでした。
静寂さや宗教の雰囲気を感じず、どちらかというと博物館のような印象でした。
ローマやフィレンツエのような大都市と違って、観光客はまばらです。
とても広い教会ないので、ゆっくり鑑賞することができます。
美しすぎるフレスコ画!
そして、何よりきれいなのがフレスコ画です。
どこを見渡しても息を飲んでしまう美しさです。
フレスコ画は壁に漆喰を塗り、まだ乾いていない状態の時に水や石灰で溶かした顔料で描くものです。
一度描いてしまうとやり直せないため、高度が技術が必要なんだそうです。
どうしてもやり直す場合は、最初に塗った漆喰を削り落とすしかないそうです。
そんな難しいフレスコ画をこんなに美しく描けるのはすごいですよね。
宗教的な意味まではよくわかりませんが、美しい絵であるのは確かです。
フレスコ画は本当に独特ですよね。
そして、この大聖堂で最も有名なフレスコ画があるのが、
祭壇右横にあるサン・ブリツィオ礼拝堂です。
この奥にあるのがサン・ブリツィオ礼拝堂です。
中にはルカ・シニョレッリが描いたフレスコ画があります。
作品名は「罪されし者を地獄へ追いやる天使(地獄)、蘇る死者」です。(下記画像)
しかし、私はおそらくその礼拝堂には行っていません。チヴィタに行く時間が迫っていて、焦って鑑賞していたので行くのを忘れたんだと思います。とても美しいフレスコ画のようなので、忘れずに立ち寄ることをおすすめします。
イタリアで最も美しい教会
オルヴィエートはとても田舎です。旅行で必ずしも行くべき都市ではありません。
ローマやフィレンツェのように見どころが多い町でもありません。
しかし、オルヴィエート大聖堂は本当におすすめの観光名所です。教会はあまりにも美しく壮大で、迫力があります。田舎の中に突然現れる教会なので、そのギャップもまた美しさを引き立てる理由かもしれません。
オルヴィエート大聖堂は「イタリアで最も美しい教会」また「世界で一番美しい教会」のひとつと言われています。
今までたくさん教会をめぐってきました。私が訪れたことのある中では、プラハにある「聖ヴィート教会」が最も美しい教会でした。オルヴィエート大聖堂はそれに並ぶ美しさです。その理由は紛れもなく、壮大だということです。
そして、オルヴィエートは冒頭にも書いたように、チヴィタに行く途中にある町です。
そのついでにオルヴィエートにも立ち寄る人がほとんどだと思います。チヴィタ行きのバスは本数が少ないため、オルヴィエート観光は時間を最優先することをおすすめします。小さい町ですが、ひと回りすると意外と時間がかかります。
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