数年前に表銀座縦走をしました。その時のコースは「中房温泉〜大天井岳〜一ノ沢」でした。
すでにお気づきの方もいるかもしれませんが、その時は常念岳に登れなかったんです。
常念乗越で常念岳を見上げて、登りたいけど体力的に厳しかったので登らずに一ノ沢に下山したんです。
その時のリベンジをいつかしようと思っていました。
しかし、一ノ沢ルートのあまりの長さを思い出すとなかなか勇気が湧きませんでした。
そんなこんなで時が過ぎ、土日になると必ず雨降った2022年夏、とうとうチャンスが巡ってきました。その理由は単に、雨で北アルプス登山がどれもこれも中止になり、中止になってから次の予定を決めて山小屋を予約するので、予約ができる山小屋が限られていました。また、中止の繰り返しなので何日も休みを取るのが難しくなってもいました。
そこで条件が揃ったのがあの時、登れなかった「常念岳」だったんです。
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常念岳ってどんな山?どこにある?
常念岳は松本市内周辺から見ることができ、一目見てそれが常念岳だとわかる形状をしています。周囲が同じくらいの標高の山なのに、常念小屋(常念乗越)のところだけ、がくんと標高が下がっているんです。なので、遠くから見て常念岳だとすぐにわかるんです。
そんな常念岳はちょっと微妙な場所にあり、ちょっと行きにくい山でもあります。
せっかく北アルプスに行くなら縦走したい。でも、情念から縦走するとなると、泊まらなくてもいい距離感の山で泊まる必要が出てきたり、前回の私のように常念岳を目にしても登らずにスルーしなくてはいけないことも出てくる山だからです。もちろん体力がある人は問題なく一ノ沢からピストンや燕岳からの縦走でも、きちんと常念岳に登頂してから一ノ沢に下山する人もいます。
そしてもうひとつは、一ノ沢ルートが結構きついということです。
一ノ沢ルートは鎖場はありません。(途中、滑落危険箇所あり。)急登というような急登もありません。ただ、沢沿いをひたすら歩くというルートです。似たような景色が延々と続き、常念乗越に到着するまでは他のアルプスの山も見えません。
なので、体力がない人にとっては想像以上に長く感じるコースでもあるんです。そうは言っても常念岳は日帰りで行く人も多い山なので、これについてもその人の体力次第ではあります。実際に下山途中ですれ違ったトレランの方は、私が下山途中で登ってきたのですが、私が下山が終わる前に私を追い越して下山していきました。聞くと大天井岳まで行ってきたとのことでした。そういう方もいるので一概に大変だとは言えませんが、決して楽な山ではありません。まあ、登山はどんな山でもそれなりに疲れるものでもありますけどね。
そういう意味で、私の場合はなかなかトライできない山のひとつではありました。
★常念岳
【標高】2,857M
【レベル】中級以上
【所要時間】11時間
【標高差】1,554m(登り)/1,554m(下り)
【危険箇所】途中滑落危険箇所あり。
【ヤマスタ】あり
【今回のコース】一ノ沢〜常念岳〜一ノ沢(ピストン)
常念岳へのアクセスは?
常念岳へのアクセスは車もしくはタクシーになります。
北アルプスでは入門の山として知られている常念岳は、それなりに人気の山ではあるのですが、登山口までのバスがありません。それもあって、何となく行くのが億劫になってしまう山でもあるんですよね。
前回、一ノ沢ルートを使用していて、それを知っていたので今回は初めからタクシーで行く覚悟をしていました。穂高駅から何人かでタクシーに乗れば、一般的な登山バスよりも安い金額で登山口まで行くことができるのに、タクシーと聞くだけでなんとなく億劫に感じてしまうので不思議ですよね。
かと言って、車の場合は簡単かというと、駐車場が埋まってしまう危険性があります。実際に9月上旬の土曜日の朝7時すぎに登山口の駐車場の前を通過したのですが、その時点ですでに満車のような感じでした。
縦走する人や泊まる人も多いので、早朝よりも早い時間に到着しないと満車になってしまう可能性もあります。車は公共交通機関に比べると便利な様で、デメリットもあるってことですよね。
また、一ノ沢登山口の場合は、駐車場に車を停める場合は、登山口まで20分ほど歩かなくてはいけません。タクシーの場合は、登山口まで行くことができるので、タクシーの方が車よりアクセスが楽になります。
★一ノ沢駐車場
【アクセス】長野道安曇野ICから15km
【駐車台数】40台/30台(駐車場はいくつかに分かれている)
タクシーの予約はいつがいい?予約ができないことってある?
実はとても心配していたのがタクシーの予約でした。
今回の山行では、出発日の前日に松本入りをしました。中央道はいつも渋滞するので、午前中の早い時間に東京を出発しました。なんだかんだ松本のホテルに着いたのは15時頃だったと思います。ホテルに着いてすぐにタクシー会社に電話をしました。
タクシー会社は「南安タクシー」です。北アルプス登山ではお馴染みのタクシー会社です。
【予約電話番号】0263-72-2855(24時間受付)
【概算運賃】穂高駅から一ノ沢登山口:5,740円 ※22時〜5時の間は深夜早朝割増運賃で2割増。
【所要時間】穂高駅から一ノ沢登山口:約40分
【支払い方法】一ノ沢は電波がないためキャッシュオンリー
【マイカー回送】
出発時に自家用車を預けると希望の登山口まで回送してくれるというサービスも行っているようです。
行きと帰りが別の登山口の場合に便利なサービスです。
常念岳へのアクセスはJR大糸線の穂高駅からタクシーで行くことが一般的なので、松本駅からの始発の電車(5:56発)で穂高駅(6:28着)に行き、そこからタクシーで一ノ沢まで行く予定でした。穂高駅に着くのは6時半頃なので、トイレに行く時間などを考えて、「6:40に穂高駅に来てほしい」と伝えました。
しかし、「久しぶりの晴れ予報の週末なので明日はとても混んでいて、その時間には行けないかもしれない、遅ければ7時半頃になる可能性がある」と言われました。
予定の時間よりは遅い出発にはなるけれど、タクシーしか交通手段がないのでそのまま予約をしました。タクシー会社からは「6時半から7時半の間くらいと思っていてください。キャンセルは可能なので他のタクシーに乗れた場合は電話をください」と言われました。
そう言われていたので穂高駅で1時間ぐらい待つだろうと思っていたのに、穂高駅に着いた時にはすでにタクシーが到着していました。結局、希望の時間にきてくれました。予想外で驚きました。
南安タクシーは登山口までの送迎に力を入れている会社なので、登山者への対応にとても慣れていました。途中でコンビニに寄りますか?と聞かれたので、そういう依頼をする人もたくさんいるんだなと思いました。
今回は一ノ沢ピストンのコースだったので、帰りのタクシー予約についても教えてくれたりと、とても親切で安心のできる会社でした。(東京の冷たいタクシーとは大違いで全てにおいて感動してしまいました。本当に感謝です。)
結果的に前日午後でもタクシーの予約ができました。土曜出発で金曜の午後に予約ができたので、そこまで心配しなくても予約は取れるんじゃないかと思います。日帰りピストンの場合は前もって予約をした方がいいとは思います。
★松本駅から穂高駅へ
【路線】JR大糸線
【始発】松本駅発(5:56)〜穂高駅着(6:28) ※2022年10月9日現在(土日時刻表)
【所要時間】32分
【運賃】330円
①100%予約を受けてくれる!
②キャンセルができる!
③登山口の送迎に慣れていて、柔軟な対応をしてくれる!
④前日でも予約ができる!
東京からのアクセスについてはこちらから♫
沢沿いをひたすら歩くだけ!
一ノ沢登山口にはトイレとベンチ、登山届けを書く場所があります。それ以外は何もありません。
そして一ノ沢登山口は電波がありません!前回行った時に電波があるところを探し求めて下ってみましたが、かなり歩いても電波は入りませんでした。一ノ沢から徒歩圏内では電波は入らない様でした。
一ノ沢から先は沢沿いをひたすら歩くだけです。
周囲が囲まれているので他のアルプスの山は見えません。
ずっとほとんど変わらない景色の中をひたすら歩いて行きます。
常念乗越までの間には鎖場などの難しい場所はありません。途中に滑落多発場所はありますが、不安定なハシゴや木の階段なので、注意して歩けばそれほど怖くはありません。
雨の多い2022年ではありましたが、この週は晴れている日が続いていました。前日も晴れ予報でした。その割には沢の水が多く、増水していました。前回行った時よりも水量が多い気がしました。数日までの雨ではなく、少し前に降ったものが流れ出てきていたのかもしれません。
どこまで行っても水は透き通っていいて、本当にきれいでした。山の美しさって本当に素晴らしいですね。何をとってもとてもきれいです。
時々、木の橋のようなところや、水の中を歩かなくてはいけないところはありますが、ストックを使えば怖くないです。ストックがないと歩きにくい場所はありました。
本当にどこを見ても水だらけです。
常念乗越までずっとこの景色が続きます。
あまりにも同じ景色が続くので、ここでも書くことがありません。とにかくずっと同じような景色と山道が続きます。
常念乗越までは標準タイムで約5時間!
一ノ沢から常念乗越までは標準タイムで5時間です。
沢沿いをひたすら歩いていくと急に常念乗越に到着します。景色が見えない道のりなので、そろそろかな?という感じがあまりなく、突然到着します。
それでも、さすがにこの景色が見えた時は、そろそろかも?と思いました。視界がひらけてるのでなんとなく着きそうな感じがしますよね。
そして、常念乗越に到着です。
数年前に表銀座縦走をした時に通過した場所に戻ってきました。念願の場所です。
ここ数年はどんな山に登っても以前よりもとても疲れます。終日歩き回る仕事からほとんど動かないデスクワークになったことと、コロナ禍で家にいる機会が増えたことが原因だと思います。
そんなこともあり、標準タイムを大幅にオーバーして到着しました。まあ、泊まりの場合は多少到着が遅くなっても、無事に到着すればいいと思っているので、特に問題はなかったです。私の場合、早く登ることを目的としていないので、無事に到着し、日没までに下山できればそれでいいんです。
この後は常念小屋にチェックインをしました。
長くなりそうなので、記事をいくつかに分けようと思います。
北アルプスの他の記事はこちらから♫
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