東京から日帰りで登れる百名山に山梨の大菩薩嶺があります。大菩薩嶺は山梨県の甲州市と北都留郡丹波山村に位置しています。百名山でも初心者に人気で、都心からのアクセスがいいことで知られています。
また、大菩薩峠は小説や映画などで有名になった山でもあります。中里介山が書いた小説「大菩薩峠」が有名です。1913~1941に新聞に連載されていた長編小説です。その舞台となったのが大菩薩峠なんです。そのことから登山をしない方でも知っていることの多い山なんだそうです。
大菩薩嶺はどこにある?アクセスは?
JR中央線の甲斐大和駅よりバスで40分。
甲斐大和駅からバスで行ける”上日川峠”!駐車場が豊富にある!
甲斐大和駅より40分バスに揺れられて、たどり着くのが上日川峠です。バス停はこの写真の向かい側にあります。この周辺には駐車場がいくつかあります。この時期は紅葉シーズンだったため、駐車場は満車になっていて路肩に停めるように指示が出されていました。
大菩薩嶺には登山口がいくつかありますが、一番人気なのがこちらの上日川峠からのルートです。初心者にとても登りやすいコースということとバス停や駐車場があり、アクセスしやすいことがポイントです。
★駐車場
【上日川峠第1駐車場】約20台
【上日川峠第2駐車場】約40台
【上日川峠第3駐車場】約60台
ほうとうが食べられる!山小屋の”ロッジ長兵衛”
バス停の前には”ロッジ長兵衛”があります。大菩薩嶺は日帰りができる短時間コースの山なので、泊まる必要はないのですが、こちらの山小屋に宿泊することができるんです。また、食事だけの利用ももちろん可能です。ロッジの外にもテーブルとイスがあり、こちらで食事をしている方も多かったです。
この日のメニューです。山梨だけあって山小屋でも”ほうとう”が食べられます。
★ロッジ長兵衛
【住所】山梨県甲州市塩山上萩原4783-1
【電話番号】090-3149-0964
【宿泊】11月-3月は冬季料金で500円が加算
・1泊2食付き 8200円
・1泊夕食付き 7700円
・1泊朝食付き 6700円
・素泊まり 6200円
【営業】通年 12-4月は完全予約制
【収容人数】30人
上日川峠から福ちゃん荘までは30分!
登山はここからスタートします。写真右奥に見えているのがバス停の隣にある公衆トイレです。登山口にあるトイレがこちらです。
登山道はとてもゆるやかで歩きやすいです。草に覆われていてところどころ道幅が狭いところはありますが、道幅は広めで全体的にとても歩きやすいです。紅葉シーズンでしたが、朝は人が少なく、紅葉を独り占めできました。
宿泊もできる山小屋!”福ちゃん荘”
上日川峠から30分ほどのところに”福ちゃん荘”があります。お食事はもちろんなのですが、宿泊もできる山小屋です。大菩薩領は日帰りできる短時間コースの山なので、宿泊する必要はないのですがのんびり楽しみたい方にはオススメの山小屋です。初心者向けの山なので手軽に登ることのできる山ですが、やはり百名山とあって山小屋もいくつか存在しています。
★福ちゃん荘
【住所】山梨県甲州市塩山上萩原2332
【電話番号】090-3147-9215
【チェックイン】12:00-16:30
【宿泊】冬季(10/20-4/20)は冬季料金500円が加算
・1泊2食付き 7700円
・素泊まり 4840円
・夕食 1540円 (岩魚塩焼き、ミニほうとう、自家製刺身こんにゃく、小鉢、自家製漬物、ご飯、デザート)
・朝食 1320円 (サラダ・ハム・オムレツ、味付け海苔、自家製漬物、納豆、つくだ煮、ご飯、味噌汁)
・お弁当 650円
【お風呂】GW〜11月中旬のみ利用可
・五右衛門風呂 (男女別2つ) 15:00-17:45頃
【収容人数】団体90名/個人50名
福ちゃん荘から先はルートが分かれる!
福ちゃん荘から先はルートが分かれます。右に行く表登山道か上に進む唐松尾根です。私は右に進む表登山道コースを選択しました。理由は事前に調べたところ、こちらの方が登りやすいコースだったからです。
福ちゃん荘のすぐ近くには公衆トイレがあります。その前を進んでいくのが表登山道コースです。表登山道コースは大菩薩峠を経て山頂へと向かうコースです。
この先もゆるやかな歩きやすい山道が続きます。登山と言うよりハイキングに近いコースです。道幅も広いので自然を楽しみながら歩くことができます。急登がないのでトレーニングは適さないのが大菩薩嶺です。ある程度、登山経験がある方には物足りない山でしかありません。
しばらく行くと案内図が出ていました。大菩薩峠までは急登はありません。あっという間に大菩薩峠に到着してしまいます。
さすが百名山!大菩薩峠では雲海が見える!
この山で最も美しいのがこちら大菩薩峠です。奥に見える大菩薩嶺の頂上や周囲の景色が本当にきれいなんです。大菩薩嶺の頂上は木々に囲まれていて、眺望がよくありません。ここはまだ頂上ではありませんが、他の山でいう頂上に匹敵する場所なんです。
そして雲海です。こんな雲海に出会える山だとは登るまで知りませんでした。他の登山者も皆、雲海に感動していました。この辺りは標高1800mぐらいですが、それでも雲海を眺めることができるんです。大菩薩峠周辺はスペースが広いので、圧迫感もなく、休憩する場所もたくさんあります。この景色を見ながら休憩するのが一番いいかもしれません。
ただし、秋であるこの時期はとても寒いです。この辺りは周囲に木々があまり生えていないので、直で風を受けてしまうんです。天気が良くても、それなりの装備をしていないとダメなのは、こういう理由です。
雲がなければ富士山が見える!
雲海の他にも美しいのがこちら側の景色です。あいにく雲がかかっていましたが、奥には富士山が見えます。その手前に見えるのは”大菩薩湖”です。こちらは天然のものではなく、人工のダムで上日川ダムと呼ばれています。東京電力の発電用ダムなんだそうです。水位の変動が激しいことから立ち入りは禁止されているそうです。
奥に見えるのは南アルプスです。大菩薩峠から頂上までは360度開けている場所が多いので、どの方角の景色も楽しむことができるんです。
ここから先の景色もきれいです。この辺りには鹿がいることも多いです。この日はここでは出会いませんでした。
頂上のまでの途中には2000m地点の標識もあります。この辺りになるととても寒いです。この近くで休憩をしている人もいましたが、11月の気温はとても低く、手袋をとると凍りつきそうでした。この時期のここでの休憩はオススメできません。
そして頂上です。周囲は木々に覆われていて眺望は臨めません。頂上よりもその途中に価値のある山です。
下山は唐松尾根ルートにしました。頂上からすぐの辺りは岩が多く、急なのでとても下りにくいです。こちらから登ってくる方々はとても辛そうでした。登るのなら表登山道の方が断然オススメです。こちらのように急登はありません。途中で出会った方は登りがとても辛そうで、あとどのぐらいですか?と聞かれました。久しぶりの登山の方には唐松尾根ルートはきついかもしれません。
軽装の登山者が多すぎる!安易な登山はやめましょう!
全体を通して、とても登りやすい山でした。そのせいもあり、山の経験がないと思われる軽装の人も多く見かけます。この時期は紅葉シーズンだったので、それなりに気温も下がる季節でした。3時間半ほどのコースとは言え、標高は1500mを超える山です。山慣れしている登山者はその時期に適した装備をしていました。それが普通のことです。しかし、シャツやTシャツ1枚で登っている方が何人もいました。この時期は頂上は氷点下になる山です。上着を持たずにシャツ1枚などの軽装で登るべき場所ではありません。
また、この日は普通に歩くことも難しいご老人が、自身の子供と思われる方に引っ張られて登っていました。そんなに難しくはない山とは言え、山はどこでも死と隣り合わせの場所です。明らかに無理と思われる格好や体調、肉体的問題がある場合には登らない様にしましょう!紅葉シーズンのせいか安易な登山者があまりにも多すぎました。
景色がとてもよく、本当に美しい山なのですが、こういった登山者も多い山です。紅葉シーズンだったせいもあるかもしれませんが、日頃から登山をしている方にはストレスも感じてしまう山かもしれません。
大菩薩嶺
標高:2,057m
標高差:571m
難易度:中級★★☆☆☆
歩行時間:3時間半 (上日川峠〜大菩薩峠〜大菩薩嶺〜唐松尾根〜上日川峠)
ヤマスタ:有り(百名山)
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