北アルプスに”燕岳(つばくろだけ)”という山があります。
上級者向けの山が多い北アルプスの中では、初心者向けの山だと言われています。
燕山荘のオーナーによると北アルプスデビューする人が多い山なんだそうです。
また、燕岳は北アルプスの女王とも言われています。
その理由は登ってみればなんとなくわかりますが、
花崗岩で形成されている頂上はあまりに独特で、その姿形は他の山ではなかなか出会えない美しさです。
そして燕岳の西側には登山者の誰もが憧れるであろう”槍ヶ岳”があります。
ガスがかかっていなければ、どこからでも槍ヶ岳を一望することができます。
そんなとても美しく華麗な燕岳ですが、実は百名山ではありません。
百名山の著者である深田久弥によると、”百名山に入れたかった山のひとつ”なんだそうです。
それぐらい本当に魅力のある山です。
燕岳ってどこにある?
燕岳は長野県の安曇野市と大町市に位置しています。
簡単にいうと松本市の北西部に位置しています。
アクセスの詳細は別記事にしていますが、こちらでも少し触れておきます。
燕岳の登山口である中房温泉へのアクセスはバスです。
JR大糸線の「穂高駅」より直通のバスが出ています。
穂高駅は松本駅から約30分のところにあります。
穂高駅から中房温泉までは約1時間です。
松本からだとそんなに遠くないので、アクセスはとてもいい山です。
アクセスの詳細については下記の記事をご覧ください。
登山口は”中房温泉”!
登山口は”中房温泉”です。
この辺りは温泉が豊富に湧き出る地域として知られています。
中房温泉は江戸時代から続いている有名な老舗の旅館です。
すぐ近くには燕岳の登山口があります。
バスを降りるとすぐに登山口があります。
登山口にはトイレと立ち寄り湯があります。
★中房温泉(湯原の湯)
【営業時間】9:00-16:00
【入浴料金】700円
【売店】あり(ソフトクリーム、ビール等)
立ち寄り湯はとても簡素な温泉です。
よくある日帰り温泉のような立派なものではありません。
しかし、バス停のすぐ目の前にあるのでとても利用しやすいです。
この登山口から山頂までは約5時間かかります。
下りは約3時間なので往復にして8時間かかります。
宿泊して登ることの多い燕岳ですが、日帰りで行けないこともありません。
しかし、燕岳は北アルプス三大急登とも呼ばれる上りがあるため、日帰りで行くのは上級者でなければ難しいと思います。
シーズンには山道はとても混雑し、渋滞がおこります。
全体的に広い山道ではないので、混雑するシーズンは標準タイムよりも時間がかかります。
余程の自信と経験がない限り、日帰りでの入山はおすすめしません。
まずは合戦小屋を目指そう!登山口から約2時間半!
最大の難関が合戦小屋までのコースです。
そこ到るまでに、第1ベンチ、第2ベンチ、第3ベンチ、富士見ベンチがあります。
第1ベンチまでは約50分。ここには水場もあります。
合戦小屋までは約2.5〜3時間弱。
急登がずっと続くので、とにかくゆっくり登ることがポイントです。
周囲を見ても、ゆっくり登っている人がほとんどでした。燕岳は縦走する人も多い山で、テン泊の人たちは荷物がとても重い上に急登が続くためにハイペースで登るのは難しいからです。
それぞれのベンチには、その名の通りベンチがあり、休憩スペースになっています。
大抵のひとがベンチごとに休憩をしていました。それ以外の場所では混雑のせいもあるのと、スペースが確保できないため、なかなか休憩が難しいです。
やっと合戦小屋に到着です。
ここまで来ると頂上に到達できる自信がでてきます。この時はペースを上げられない相手と登ったこともあり、いつもよりローペースで登りました。それが良かった様で急登をあまり感じず、大して疲れませんでした。
冷えたスイカが名物の合戦小屋!
合戦小屋(かっせんごや)
【標高】2,350m地点
【営業期間】4月下旬〜
【メニュー】
・うどん(6月〜) ・カレー ・豚汁 ・おしるこ(9月〜)
・ビール ・ペットボトル
【名物スイカ】
・6月下旬〜9月上旬
【トイレ】完備
【テント】5張
合戦小屋の名物はスイカです。
みなさん食べているのはスイカでした。冷えていて、とても美味しいそうです。
私は食べませんでした。結構、量が多いので2人でシェアするのもいいかもしれません。
合戦小屋から先は森林限界!燕山荘までは約1時間!
合戦小屋を過ぎると森林限界に入ります。
ハイマツを囲まれた世界に入っていくことになります。
合戦小屋までの急登に比べるとゆるやかな道のりですが、それでも楽なわけではありません。後少しのところがきついのは、どの山も同じでしょう。
そして、とうとう…燕山荘が見えてきます。
ここまで来ればあっという間です。
燕山荘のすぐ下には”お花畑”があります。
登山地図にもそう書かれていました。
その名の通り、美しい高山植物が咲き乱れていました。(2019年8月中旬)
本当に美しい世界でした。
こんなに美しい高山植物に出会ったのは初めてでした。燕岳は本当に夏がオススメです。そして、このお花畑を通り過ぎると、テン場があり、そのすぐ先に燕山荘があります。
テン場を過ぎると燕山荘に到着です。
登山口から燕山荘までは休憩を含めて、5時間14分かかりました。燕岳頂上には行ったのは翌朝です。山荘から往復1時間で行ける場所に頂上があるのですが、ガスがかかっていたのでこの日は断念しました。
登頂したいなら余裕のあるスケジュールで!
私は登山歴4年目ですが、同行者は数回しか登山経験がありませんでした。
それでも、ゆっくり登れば十分に登頂できる山です。
実際に燕岳には4歳ぐらいの子供たちもたくさん登っていました。家族総出で登っている方々もたくさんいました。北アルプスはハードルが高いと思っていましたが、燕岳はそうでもありませんでした。
ただし、これは日帰りではなく、泊まりだったからだと思います。
そして、松本に前泊しているからだと思います。
以前、仕事終わりで夜行バスに乗り、そのままろくな睡眠を取らずに南アルプスに行った経験があります。梅雨の時期と重なっていたため、体がとても鈍っていました。そして確実に睡眠不足でした。その時に挑戦したのは仙丈ヶ岳でしたが、体力が限界になり小仙丈ヶ岳で引き返すことになりました。
その経験から言えることは、歩行時間が8時間を超える場合や、標高差が大きい山の場合には前泊をしてコンディションを整えることが必要だと思いました。
途中で何人かの方がバテていましたし、おんぶされて下山している方もいました。
登りだけで5時間かかるルートは決して楽ではありません。
余裕のあるスケジュールを立てることをおすすめします。
続きは別記事にします♫
燕山荘については別記事にしています♫
コメントを投稿するにはログインしてください。