奥多摩町のすぐ隣に檜原村(ひのはらむら)という村があるのをご存知でしょうか。
離島を除くと東京都唯一の村になります。
奥多摩というと何となくイメージがつく方も多いと思いますが、檜原というと知らない方もとても多いんですよね。檜原で有名な場所と言えば、「秋川渓谷」です。バーベキューなどにとても人気の高いスポットになります。
そんな檜原村と奥多摩の境目にはたくさんの山があります。山によっては奥多摩側から登るルートと檜原側(武蔵五日市駅方面)から登るルートがあったりします。
今回は低山ハイクに人気の高い奥多摩の「三頭山」をご紹介します
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三頭山ってどこにある?
三頭山(みとうさん)は、東京都の奥多摩町、檜原村、山梨県の上野原市、小菅村の境目にある山です。
コースはいくつかありますが、最も人気が高いのは檜原側の都民の森から登るコースです。それだけだと物足りない方に人気があるのが奥多摩湖から登るコースです。そのどちらのコースから登るかによって、アクセス方法などが大きく変わります。
★三頭山(みとうさん)
【標高】1,531m
【レベル】初心者向け
【所要時間】4時間弱
【標高差】708m(登り)/664m(下り)
【危険箇所】途中迷いやすい箇所がいくつかあり。
【ヤマスタ】あり
【今回のコース】都民の森〜鞘口峠〜三頭山〜三頭山避難小屋〜大沢山〜三頭大滝〜都民の森
都民の森(檜原側)へのアクセスは?
都心からJR中央線で行く場合、奥多摩と檜原へのアクセスは途中までは同じですが、拝島駅から路線がわかれます。電車によっては拝島で車両が途中で切り離されて、五日市線と青梅線に分かれるものもあります。青梅線は奥多摩方面、五日市線が今回ご紹介する檜原方面です。
JR五日市線の終点にあるのが武蔵五日市駅です。秋川渓谷や都民の森、浅間嶺などに行く場合は武蔵五日市駅から行くことができます。
武蔵五日市駅は田舎の駅にしては大きい駅で、駅もとてもきれいです。奥多摩と違って山奥の雰囲気もなく、山が好きなら住みやすい地域なんだろうなという印象が高い駅です。奥多摩にはタクシーはほとんどいませんが、武蔵五日市ではタクシーも結構みかけます。
改札はひとつで外に出るとすぐにバスターミナルがあります。
大体いつも長蛇の列ができているのが「都民の森・数馬」行きのバス停です。登山者はみんなここに並ぶので迷うことはありません。いつ行っても40~50人は並んでいる印象です。
紅葉シーズンのバスはとても混雑しますが、臨時便が出るので基本的には乗車できます。ただし、全員が座れるわけではないので、座りたい方は早めにバス停に着くことをオススメします。
私は始発の40分ぐらい前に着くように行きましたが、その時点で50人程度は並んでいました。バスの出発ギリギリには150人程度の人が並びました。臨時便を含めて3台バスが出たので私は座れましたが、ギリギリに到着していたら確実に座れませんでした。1本前の電車で行くのがおすすめです。
★都民の森へのアクセス
【最寄駅】JR五日市線「武蔵五日市」駅
【バス】
《バス会社》西東京バス
《行き先》都民の森 or 数馬(急行以外は数馬で乗換)
《本数》都民の森への急行は1日2本
《所要時間》約70分
《運賃》大人:954円 ※SuicaなどのICカード使用可
都民の森って何?どんなことができる?
都民の森は一般的なビジターセンターのような場所です。
周辺の山々にいる野鳥や植物の情報提供や、動物の剥製などが展示されている施設もあります。
また、木工教室や自由教室などがあり、様々な工作などを作ることができます。子供の夏休みの宿題なんかをつくるのに良さそうでした。
★都民の森
【住所】東京都西多摩郡檜原村7146
【電話番号】042-598-6006
【営業時間】
【休館日】毎週月曜日(GW、夏休み期間、紅葉シーズンを除く)
都民の森の入り口からスタート!
武蔵五日市駅からバスに揺られること約70分で「都民の森」に到着します。
バスを降りるとトイレ、駐車場、駐輪場、小さな売店などがあります。
売店のすぐ脇に「都民の森」の看板があり、ここからスタートです。
都民の森というだけあって、とても整備されていて歩きやすい道が続きます。
少し歩くと「森林館」の施設が見えてきます。
この森林館の中にさまざまな施設やレストランが入っています。トイレもあります。
森林館の脇にはきれいに色づいた紅葉がありました。
ここで道が分かれます。
今回は鞘口峠経由のコースにしたので私は左へと進みました。
他の登山者の話だと大滝経由で山頂に向かう人の方が多かったようです。実際に帰りに大滝経由しましたが、その時間にはあまり人がいませんでした。混んでいる日は鞘口峠経由の周回コースがいいかもしれません。
2022年の紅葉の見頃は10月末から11月上旬でした!
今回、三頭山を選んだ理由のひとつが紅葉でした。今が見頃だというので行くことにしました。
三頭山は登山をはじめた頃から知っていた山でしたが、ずっと興味が持てない山でした。その理由は、都心から意外と遠い割に登り甲斐がなく、短いコースがメインの山だからです。なので、今回やっと行くことにしたんです。
山中は紅葉が見頃でどこもかしこも本当に美しく、今の時期には最高に楽しい山だと感じました。写真は登りはじめてすぐの場所で撮った写真です。川や沢が多いのは奥多摩らしいところだと思います。
写真だと美しさがあまり伝わらないのが残念ですが、本当に息を呑む美しさでした。私自身は秋山がとても好きなので、こういう景色が多分とても好きなせいもあるとは思います。
こちらが鞘口峠です。
三頭山は分岐点や標識が多いので、この辺りはあまり印象がありません。この分岐点を右に進むと奥多摩の御前山につながっているそうです。御前山は登山をはじめた頃に一度だけ行ったことがありますが、登りはじめが急登でとてもしんどかった記憶があります。
しばらく行くと周辺の地図がありました。
奥多摩は久しぶりだったのでとても懐かしく感じました。奥多摩のほとんどの山は初期の頃に登ってしまいました。当時は丹沢よりも奥多摩が好きだったので月1で通っていたんですよね。
東京の秘境!どこを見ても美しい景色!
ここから先はどこを見ても息を呑む美しい世界が広がっていました。
写真だと上手く伝わらないのですが、本当にとても美しい世界でした。
三頭山というと新緑がきれいな山のイメージがありましたが、紅葉シーズンもとてもとても美しかったです。
あまりにも美しいので一歩進む度に写真を撮り、上ばかり見上げていました。紅葉シーズンは落ち葉で滑りやすいので注意が必要ですが、ここまで美しいと上を見上げずにはいられません。
三頭山とういうとブナの木が有名です。ブナ林が残っている場所はそう多くはないそうで、東京近郊だと三頭山や西丹沢の檜洞丸が有名だそうです。
頂上に近づくと富士山が見えました。
三頭山は木々に囲まれていて眺望のない印象がありましたが、頂上付近からはところどころ周囲の山々を一望できる場所があり、天気によっては景色も楽しめる山です。
3つの頂上があるから三頭山!
三頭山はその名のとおり、西峰、中央峰、東峰の3つの頂上がある山です。
東峰には小さな展望台があります。
写真は展望台からの景色です。写真の中央に見えるのが大岳山、左手に見えるのが御前山です。どちらも奥多摩の山ですよね。初級から中級に向けて経験を積むのにいい山です。
そして、この大岳山、御前山、三頭山の3つの山が奥多摩三山です。
こちらが中央峰です。
木々に囲まれているので眺望はよくありません。私の中での三頭山はこのイメージです。
こちらが西峰です。
三頭山にはいくつもの山頂標識がありますが、こちらは奥多摩に多い石の標識です。鷹巣山や七ッ石山が同じデザインだたっと思います。他の地域の山では見られないデザインなので、ひと目で奥多摩だとわかります。
西峰の山頂は開けていて広いので休憩しやすいです。ところどころにベンチもありました。この日は紅葉シーズンともあって山頂は激混みだったので、私は休憩せずにすぐに下山しました。山中ではあまり人に会いませんでしたが、ここに来てあまりの混雑にげんなりしてしましました。
紅葉シーズンといっても高尾山などに比べると人の少ない山ですが、やっぱりこの時期はとても混みます。低山の場合は、夏場はアルプスに登る人が低い山に下りてくる時期でもあるので、人がとても増えるんですよね。あとは単純に初心者や家族連れがとても多いです。
そして、この西峰からも富士山が見えました。
三頭山は東京都と山梨県の境目にある山なので、想像よりも富士山が近く見えました。
大沢山経由は人が少なくて歩きやすい!
西峰から10分ほど下ると分岐点があります。(分岐点の写真はありません..)そこを左に曲がると三頭大滝に下れますが、まっすぐ進んでも三頭大滝に下ることはできます。
あまりにも人が多かったことと、トイレに行きたかったことがあり、今回はまっすぐ進むコースにしました。分岐点をまっすぐ進んで数分のところに「三頭山避難小屋」があります。避難小屋なので休憩はもちろんのこと、トイレも併設されています。山頂にはトイレがないのでこのルートで山頂から一番近いトイレはこちらになります。
そして、避難小屋の正面には富士山が見えました。
三頭山山頂はとても混んでいましたが、ほとんどの人が分岐点から大滝へと下山していたので、こちらは貸切状態でした。きれいな写真を撮りたい方にはとてもおすすめのコースです。
さっきの分岐点から避難小屋はとても近いので、大沢山方面に進まずに引き返すことも可能です。
大沢山方面は人が少ないので混んでいる場所が苦手な方にはオススメではありますが、道が分かりにくいところや道が狭いところ、滑落しやすい場所などもあるので、初心者には向かないコースです。
しばらく進んでいくと、槇寄山方面と大滝方面の分岐点があります。槇寄山方面に進んでしまうととても長いコースになってしまう可能性があります。山に慣れていない方は大滝方面へ下山することをおすすめします。
そして三頭大滝へ
この辺りは木々に覆われてはいるのですが、途中の山々の紅葉がとてもきれいでした。
大滝に近づくにつれて水場がどんどん増えていきます。
前半のコースでは水場はなかったのでとても新鮮な光景でした。三頭山はピストンよりも周回コースの方が楽しい山です。いろいろな楽しみ方があるので、どの季節でも楽しめると思います。
本当に美しい!三頭大滝!
こちらが滝見橋です。この橋の右手に大滝があります。
絶景の三頭大滝です。
紅葉シーズンの滝というと日光の「霧降の滝」が好きなのですが、この大滝もとてもきれいでした。
先に大滝に寄るコースの方が人気があるようで、下山で立ち寄ったら貸切状態でした。山頂にはたくさんの人がいて、とても混雑していたので逆コースの人が多かったんだと思います。ツアーや団体の方々も先に大滝に寄るようでした。この日だけかもしれないので定かではありませんが、下山に大滝に寄った方が空いているかもしれません。
大滝は登山者だけではなく、観光客も来れる位置にあるので時間帯によってはとても混むと思います。
滝というと檜原村には滝百選に選ばれている「払沢の滝」があります。
払沢の滝には何度も行っていますが本当にきれいです。払沢の滝の方がアクセスが良く、見応えがあり、周囲の雰囲気もとても魅力的です。
払沢の滝の記事はこちらから♫
大滝から先はゆるやかな山道です。危険箇所もなく、とても安心して歩けるところです。すれ違う人の多くが登山者ではなく、観光客でした。
帰りのバスも混雑する!早めに並ばないと乗れないこともある!
三頭大滝から約20分で「都民の森入口」に到着しました。バス停や駐車場から大滝はとても近いんですね。これなら観光客が多いのも納得です。ルートによっては気軽行ける山です。
そして、問題なのは帰りのバスです。
行きは3台の臨時バスが出たので帰りももちろん混むと思いました。たまたま下山したのが、バスが出発してすぐの時間だったので次のバスまでの時間は1時間20分ぐらいありました。
近くにはレストランやベンチなどもあるので、すぐにバス停に並ばない人も多く見受けられました。どう考えても帰りも混むだろうと思ったのでトイレに行ってすぐに並びました。バスの出発までは1時間以上ありましたが、すでに20人程度並んでいました。
行きと同様に帰りも武蔵五日市駅までは約70分かかるので、座りたいなら早めに並びましょう!
想像どおり、帰りもとても混みました。帰りのバスは早くから並んでいた人は武蔵五日市駅行きに乗れましたが、もう1台出たバスは数馬行きでした。と言っても結果的には数馬行きのバスも武蔵五日市駅に向かいました。あまりにも混みすぎて、2台は各バス停に同時に停まり、バス停に並んでいる人には「どちらか空いている方に乗ってください」という指示が出ていました。
私の中では途中からはそんなに乗ってこないだろうと思っていたのですが、そういうわけではなく、途中のバス停でもたくさんの人が並んでいました。どちらのバスもとても混雑していたので乗るのを諦めた人もたくさんいました。と言ってもこの路線のバスは1時間に1本しかありません。
そんな状況なので紅葉シーズンに行く場合は、息も帰りも早めに並ぶことがおすすめです。都民の森までは意外と距離があるので混雑している中で立って乗るのは楽ではないと思います。
感想
三頭山は登り甲斐がなく、短時間コースの割には都心から遠く、交通費も意外とかかります。そういうわけで長年行く気になれなかった山ではありましたが、実際はとても美しい山でした。ブナの原生林があるからなのか、全体的に生えている木々が美しく、私はとても好きなタイプの山でした。
山頂近くになると富士山が見える場所がたくさんあり、景色も楽しめる山でした。
また、ルートによっては危険箇所がないので安心して登れることもメリットです。ただ、ところどころ道が分かりにくいところがあるので地図などで確認しながら進む必要があります。人が多くても本当にこっちでいいの?と躊躇っている方が多い場所がありました。私自身も不安だったのでYAMAPを見て進みました。
三頭山は奥多摩と檜原、また山梨との境にあるので奥多摩ともまたちょっと違う雰囲気があり、とても魅力的です。冬期は武蔵五日市駅からのバスはありませんが、雪山初心者にも人気が高い山なのでおすすめです!
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