東京から行きやすいエリアに丹沢があります。
丹沢にはいろいろ山があるのですがリピーターが多いのが塔ノ岳です。
私自身も月に1度は登ることにしているのが塔ノ岳ですが、本当にリピーターが多いです。頻繁に通っていると以前にもお会いしたことのある方ばかりだということに気づきます。どうやら他の方もそうなようで、大体みなさん知り合いになられるようです。それぐらい人気の山なんです。
その理由はアクセスがいいことと、鍛えられる登り甲斐のある山なので、登山者だけではなくトレランをする人にも人気の高い山です。塔ノ岳というとと階段しかない大倉尾根が一番有名です。楽しいことは何もない、とにかく辛くてしんどいコースです。毎月通ったら楽になるかと思ったのですが、どれだけ通っても楽にはなりませんでした。それぐらいきつい山です。
何年も大蔵尾根からのコースでしか登ったことがなかったのですが、少し飽きてしまったので新たなるコースにチャレンジしてみました。その理由は1ヶ月ぶりの登山で大倉尾根を登る自信がなかったからという安易な理由でした。
大倉尾根は渋沢駅からのアクセスが良く、バスの本数が多く、所要時間も15分という身軽さです。山でこんなにアクセスがいいところは珍しいです。そういう気軽さから塔ノ岳の他のコースを探そうと思ったことはありませんでした。ある時、急に思い立って他のルートを調べてみたら、大倉尾根の次に人気なコースはヤビツ峠コースでした。渋沢駅からではなく隣の秦野駅からバスで行くコースです。どちらにしても小田急線沿線なので駅までのアクセスは変わりません。
しかし、ヤビツ峠までのバスは真冬には注意が必要なんです!
路面が凍結した日は途中で折り返すことが多く、ヤビツ峠までたどり着けないそうなんです。バス会社の公式でHPで調べたのですが、冬期に運休というわけではなく凍結した日に折り返すそうです。なので、当日になってみないと運行状況はわからないんです。そして渋沢〜大倉と比べてバスの本数が少ないんです。
そこで発見したのが、大倉〜三ノ塔〜塔ノ岳のコースでした。
今まで数えきれないぐらい登っているのですが、大倉から他のコースがあるだなんて思ったこともなく、みなさん同じコースで登っているとばかり思っていましたが、大倉から行けるコースは他にもあったんです!
今回はその三ノ塔コースをご紹介します!
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大倉〜三ノ塔〜塔ノ岳〜大倉尾根コース
★大倉〜三ノ塔〜塔ノ岳〜大倉尾根
【レベル】中級者以上の健脚者向け
【所要時間】8時間半 (内2時間10分休憩)
【標高差】1500m(登り/下り)
【危険箇所】鎖場あり・ガレ場あり
【コース】大倉〜三ノ塔〜塔ノ岳〜大倉尾根〜大倉
大倉から三ノ塔へ!まずは風の吊橋を渡ろう!
三ノ塔コースのアクセスは、渋沢駅から大倉までは大倉尾根コースと全く同じです。
渋沢駅から大倉まではいつものバスです。いつもと同じ大倉で下車します。詳しいアクセスについては以前にも記事にしているのでそちらをご覧ください。そう難しくはありません。
大倉に行かれたことがある方はご存知だと思いますが、大倉のバス停の隣には県立秦野戸川公園という公園があります。ここはシーズンには登山者だけではなく、一般の方にもとても人気のスポットなんです。
大倉から三ノ塔に向かうにはその公園の方に進みます。
バス停からも見える場所に風の吊橋という大きな橋があります。そこを渡って進みます。
こちらが風の吊橋です。
そういえばこんな橋あったなあと思う方も多いのではないでしょうか。
今までこのコースを知らなかったのでこちらに進む登山者に気づいたことはなかったのですが、初めてそのコースを歩いてみたら、そちらに進む方もそれなりにいました。もちろん大倉尾根のように多くはありません。時々トレランの方もいました。大倉尾根と違って階段ではないコースなのと空いているのでトレランにも人気が高そうなコースです。
橋を渡り終えたら左に曲がり、道なり進みます。
進んでいくと右手に森の自然観察ゾーンという場所があります。
どこもとても整備されているのでとても歩きやすく、登山でなくてもお散歩コースとしても人気が高そうな場所でした。コロナ の最中で年末ということもあり、この日はとても閑散としていました。
さらに道なりに進んでいくと標識があり、登山道か林道かを選ぶことができます。
あいにく私たちはこの標識を見逃し、いつの間にか林道を歩いていました。林道の方が速いコースのようなので問題はありませんでした。登山の時はいつもYAMAPを使用しているので、YAMAPの地図通りに進んでいたせいもあるのかもしれません。どちらにしてもそんなに難しくはないです。
登山道もしくは林道を進んだ後は標識通り、進んでいくだけです。
①風の吊橋を渡る
②橋を渡り終えたら左に進む
③道なりに進む
三ノ塔までは急登の連続!だけど眺望はすばらしい!
しかし、この後に待っているのは急登です!
階段しかない大倉尾根は何度行っても本当にきついコースですが、三ノ塔尾根も負けてはいません!階段はないもののずっと急登です。それもそのはず!三ノ塔コースは標高300mぐらいから登るコースで標高差は1500m余りです。楽に登れるはずがありませんよね。
階段の大倉尾根か、急登の三ノ塔尾根か、どちらがいいのかは好みの問題かもしれません。
どちらにしても塔ノ岳はやっぱりきつい!
そしてここでは鹿の群れに遭いました。丹沢では鹿をよく見かけますが、三ノ塔付近にも群れがいました。大倉尾根よりも人が少ないのでのんびりしていたのかもしれません。人の気配を感じたからか遠くに走っていってしまいました。この日はその後に鹿に出会うことはありませんでした。
大倉尾根とちがうのは眺望の良さです。
登っていく途中に時々見えるのが相模湾です。
大倉尾根は眺望がよくないのですが、こちらは登りながら景色を楽しめるのでとてもワクワクするコースでした。早朝だったこともあり、朝日がとても美しかったです。人も少なかったので後ろを気にすることなく、景色を堪能できました。
そして富士山です。
丹沢で富士山がきれいに見える日は1年で数日と言われるほど稀なことです。何度もこのエリアの山を登っていますが、ここまではっきりと見えたのは初めてでした。真冬は空気が澄んでいるので他の季節よりも見える確率が高いんだと思います。
丹沢とは思えない絶景が見れる三ノ塔の頂上!
大倉から2時間半で三ノ塔に到着しました。
急登の連続ではありましたが、登山に慣れている人には問題なく登れるレベルです。あまり利用されないルートだと思っていたので荒れている箇所があるかなと思っていましたが、どこも整備されていて危険箇所はありませんでした。私が知らなかっただけで丹沢好きな方はけっこう利用するルートなんだと思います。現にインスタでいただいたコメントでは、このコースが好きだという方が何人もいました。
★三ノ塔 (さんのとう)
【標高】1,204.8m
【大倉から】約2時間半
【ヤビツ峠から】1時間半
【塔ノ岳まで】2時間半
【トイレ】あり ※冬期の利用不可(2020年12月〜2021年3月31日まで閉鎖)
【避難小屋】あり (三ノ塔休憩所)
そして何よりこの絶景です。目の前に見えるのは富士山です。
ここまできれいに見える日はそう多くはないそうですが、たとえ富士山が見えなくても美しい場所だと思います。塔ノ岳、鍋割山を何度も登ってきましたが、その中で一番美しい場所は間違いなく三ノ塔です。
三ノ塔の頂上はひらけていて休憩スペースが広いです。
ところどころにテーブルや椅子があり、整備されたばかりでとてもきれいです。この日も整備をしている方がいました。どこも作りたての新しさでした。もちろんトイレもあります。ただし、冬期は利用できません。トイレを利用したい場合は三ノ塔より先にある烏尾山荘のトイレが使えます。
そして山頂には避難小屋の三ノ塔休憩所があります。
その名の通り無人の小屋で中で休憩することができます。ここも新しくてとてもきれいでした。三ノ塔周辺には工事中の旗がたくさんあり、全体的に整備を進めているところでした。
先に言ってしまいすが、大倉〜三ノ塔のピストンがおすすめです。ここだけで十分山を堪能できるし、三ノ塔まででちょうどいい時間と距離です。三ノ塔コースの山場はこの後なんです。何度後悔したことか…登った経験がある方はよくわかると思います。
覚悟がないと進んではいけない!三ノ塔から塔ノ岳!
三ノ塔付近から大倉尾根方面の景色を眺めた時、嫌な予感がしました。
三ノ塔から先のルートが見えないのです。すぐ先に山はありません。
遠くにキラリと光る山小屋が見えました。(写真中央です。)どう考えても道はそこしかありません。
まさかあの山小屋を通っていくのでは…
その予感は的中しました。そこしか道がなかったのです。どう考えてもかなり下る…標高差がとてもあることは実際下ってみなくても一目瞭然でした。1ヶ月ぶりの登山だったこともあり、いつもよりも体力的にきつかったこともあるのですが、コース的にかなりハードルが高いことはここを見てわかりました。
そして問題なのは塔ノ岳が遠すぎること!
夏に登った表銀座を思い出しました。その時もコロナの影響で久しぶりの登山で体力が落ちていましたが、燕岳から大天井岳までがとにかく遠かったのです。登っても登っても山が近くならない。その時と同じ感覚がありました。何度も登っている塔ノ岳のせいもあり、きちんと下調べをしてコースを選んだわけではなかったせいもあります。完全に思いつきでした。
ここから先は鎖場やガレ場の連続で、かなり急な下りでした。そのため、写真を撮る余裕がなく、ほぼ写真におさめていません。鎖が変な位置についていたりして利用しにくい場所が多かったです。
逆ルートで登ってくる方も何人かいましたが、登るのはかなりハードルが高そうなコースでした。今後も私は逆ルートは利用したくありません。この山だけならまだしも大倉尾根から来ているなら尚更きびしいコースです。
三ノ塔から塔ノ岳の間には山小屋がいくつもある!
三ノ塔から見えた山小屋は烏尾山荘(からすおさんそう)という山小屋でした。
地図にも載っていますが、三ノ塔から塔ノ岳の間には小さい山小屋がいくつかあります。その中のひとつが烏尾山荘です。塔ノ岳は日帰りで登れる山ですが、その先の丹沢山や蛭ヶ岳を目指すのならどこかで泊まるのもいいかもしれません。
★烏尾山荘(からすおさんそう)
【標高】1,136m地点
【営業日】通年(週末のみ)
【収容人数】6名(個室なし)
【宿泊料金】3,000円 ※要予約
【設備】トイレあり/テント場なし/水場なし/その他設備なし
【連絡先】090-7909-3165
烏尾山荘から塔ノ岳!
烏尾山荘から先はいくもの山があります。危険箇所が多いというわけではないのですが、地味な急登が続き、とてもしんどいコースになります。ここから先はどんなに鍛えている感じの方でもとても辛そうでした。私も疲れで足が前に進みませんでした。
【烏尾山荘から塔ノ岳までのスポット】
- 烏尾山荘
- 行者ヶ岳
- 新大日
- 木ノ又小屋
- 木ノ又大日
こんな感じで様々なスポットを通り抜けて、塔ノ岳にたどり着きます。
記事が長くなったのでここから先は別記事にします。
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